サウナのアンチエイジング効果

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

順天堂大学大学院教授、泌尿器科医 堀江重郎

 夏至が過ぎ、昼も長い今日このごろです。夏至は、古代から特別な日として、特に北半球ではお祭りをする風習があります。

 子どもの頃、フィンランドの作家トーベ・ヤンソンの『ムーミン谷の夏まつり』という本を読んだことを思い出しました。フィンランドの夏至祭は、大きな()き火をすることで有名です。森に出かけ、湖畔のコテージで焚き火をしてサウナを楽しむそうです。1年で一番昼が長い日に焚き火を囲むというのは、何となくスピリチュアルな感じがします。

 フィンランドといえば、サウナが有名です。日本では梅雨のこの時期、気温も変わりやすく、高湿度のせいか体も重く感じる時に、サウナは心身を爽快にしてくれます。最近、サウナのアンチエイジング効果が医学的にも注目されていますので、紹介しておきましょう。

サウナと冷水浴の組み合わせが効果生む

写真はイメージです
写真はイメージです

 サウナは一種の蒸し風呂で、フィンランドの場合、80~90度の高温になった部屋の中で汗を流し、16~23度くらいの冷水に入ることを繰り返すのが特徴です。

 どのような健康効果が期待できるのでしょうか。まず、サウナに入ることで体温が上がり、心身の緊張をほぐす副交感神経が活性化します。また、酸化ストレス(酸化反応と抗酸化反応のバランスが崩れ、酸化反応が生体に悪影響を及ぼしている状態)も減少するので、例えば、加齢臭に悩む方などには、とても効果があります。汗をかき、毛穴が開けば、血行も良くなり、代謝も上がります。

 冷水に入ると、今度は体を活動に適した状態にする交感神経がぐっと活性化すると言われています。頭がさえる感じがするほか、エンドルフィンという脳内ホルモンが放出されるのでハッピーな気分になります。

 エンドルフィンは長距離のランニングを行うことでも出てきますが、サウナなら手軽に体験できるので、走るのがあまり得意ではないという方にはいいですね。通常、サウナと冷水の組み合わせを2、3回繰り返します。サウナが病みつきになるのも、この冷水浴があるからなのです。

梅雨の時期を乗り切ろう!

 人類学者でジャーナリストでもあるスコット・カーニー(米国)が書いた『サバイバルボディー:人類の失われた身体能力を取り戻す』(小林由香利訳、白水社)という本は、呼吸法と寒冷刺激を組み合わせることで、現代人が太古のネアンデルタール人のような身体能力を身に付けられることを見いだした「アイスマン」ことヴィム・ホフ(オランダ)の話です。

 冷水浴だけでも、週に2、3回行えば、うつの症状が改善すると言われています。冷水につかることで、免疫細胞を活性化する効果もあるようです。

 さらに、冷水は体の中の褐色脂肪を活性化し、アンチエイジング効果もあることが注目されるようになりました。褐色細胞は背中、首回り、腎臓の周囲などに分布している脂肪で、加齢とともに減少していきますが、脂肪を燃焼する効果があります。褐色細胞が増えると、体温が上がります。すると、エネルギーが消費されるので肥満になりにくい。すなわち、ダイエットになるのです。

 サウナは、運動をするのと同じような効果があり、心血管系疾患や高血圧の予防になることが報告されています。もちろん体を動かした後のサウナは、効果が増します。

 ただし、飲酒後にサウナと冷水浴を行うと、逆に心筋梗塞や狭心症といった「心血管イベント」を起こしやすくなるので要注意。当然ですが、冷たい水につかる場合はゆっくり体を慣らしながら入る必要があります。

 梅雨のこの時期、気分がすっきりしない時には、筋トレでもやって体を動かし、サウナを楽しむと、心身ともに「ハツラツ」としてきますよ!

プロフィル
堀江 重郎( ほりえ・しげお
 順天堂大学大学院教授。泌尿器科医。日米で医師免許を取得し、泌尿器科学、腎臓学、分子生物学を学ぶ。国立がんセンター中央病院、帝京大学教授などを経て、2012年より現職。アンチエイジング医学を研究する医師が集う日本抗加齢医学会理事長。手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」を駆使する泌尿器科医のトップランナーとしても知られる。

無断転載禁止
674752 0 アンチエイジングな生活 2019/07/05 16:38:00 2019/10/28 11:04:12 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/07/20190704-OYT8I50048-T.jpg?type=thumbnail

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

アクセスランキング

 


東京オリンピックパラリンピックオフィシャル新聞パートナー

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)
ページTOP
読売新聞社の運営するサイト
ヨミダス歴史館
ヨミドクター
The Japan News
発言小町
OTEKOMACHI
ささっとー
元気ニッポン!
未来貢献プロジェクト
YOMIURI BRAND STUDIO
美術展ナビ
教育ネットワーク
活字・文化プロジェクト
よみうり報知写真館
読売新聞社からのお知らせ