日産16億円送金、無理やり「環境問題対策」に

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 日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告(64)を巡る特別背任事件で、日産側がゴーン被告のサウジアラビアの知人の会社に計約16億円を送金し始めた当初、この会社の事業目的に自動車関連の項目がなかったことが関係者の話でわかった。送金名目を考えるよう指示された日産本社の担当者は「名目を無理やり『環境問題対策』にした」と供述しており、東京地検特捜部は、ゴーン被告による私的な支出を裏付けるとみている。

 日産の代表取締役兼最高経営責任者(CEO)だったゴーン被告は▽2008年10月、私的な投資で生じた評価損約18億5000万円を日産に付け替えた▽09年6月~12年3月、評価損を巡る保証料などで約30億円を負担したサウジの知人の会社に日産側の資金計1470万ドル(現在のレートで約16億円)を振り込ませた――という二つの行為で日産に損害を与えた疑いで再逮捕された。

 関係者によると、ゴーン被告は、日産の連結子会社「中東日産会社」(アラブ首長国連邦)から「CEO reserves(積立金)」と呼ばれる「機密費」を知人側に送金するよう指示。担当者は送金名目を検討したが、知人の会社の事業目的に自動車関連業務はなく、そうした事業の活動実態も確認できなかった。

 そこで担当者はこの会社が事業目的に掲げていた「環境問題への取り組み」に着目。日産は当時、環境対応車(エコカー)として電気自動車の開発を進めており、担当者は送金名目を「環境問題対策」に決めたという。社内の決裁書類には「環境自動車(Environment Vehicle)」の略として「EV」の文字を使い、「中東のEVに向けた準備」などと記載していた。

 実際、最初の09年6月は、環境問題対策名目で約3億3000万円が送金され、10~12年は「特別販売促進費」や「ブランド活動費」などの名目で年3億~4億円が送金されていた。

 特捜部の事情聴取に対し、複数の日産側の担当者は「知人の会社には、多額の資金提供を受けるような日産関連の活動実態はなかった」と供述。特捜部は、送金名目が検討された経緯も踏まえ、ゴーン被告が、知人が負担した保証料の穴埋めや謝礼などとして架空名目で資金を提供させたとみて、勾留期限の11日にも会社法違反(特別背任)で追起訴する見通しだ。

 一方、ゴーン被告は8日の勾留理由開示の法廷で「日産に対し、極めて重要な業務を推進してくれたので、関係部署の承認に基づき相応の対価を支払った」と述べ、知人側への資金提供の正当性を主張した。弁護人によると、知人側も「特別背任に関わっているかのように見られることは名誉を毀損きそんするものだ」との見解を示しているという。

勾留取り消し請求東京地裁が却下 東京地裁は9日、弁護人が8日に行ったゴーン被告の勾留取り消し請求を却下した。弁護人は準抗告した。

1070 0 国内 2019/01/10 09:22:00 2019/01/21 11:58:57 2019/01/21 11:58:57 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20190110-OYT1I50007-T.jpg?type=thumbnail

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