車を盗む新手口「リレーアタック」電子キー悪用

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 最近の車に搭載されている電子キーの機能を悪用し、車を盗む新たな手口が出てきている。電子キーでは、車にキーを近づけるだけで、キーからの微弱電波を感知した車のドアロックが解除され、エンジンもかけられる。新手口はこれに目をつけ、キーと車が離れた場所にあっても、特殊な装置で電波を拾って車に中継し、数秒で作動させるという。「リレーアタック」と呼ばれており、警察などが警戒を強める。

 大阪府東大阪市で昨年9月の夜、民家の玄関前に立つ男がアンテナのついた装置を家に向けると、民家の車庫に止めてあった国産高級車のドアロックが解除された。仲間の男がドアを開けて乗り込んだが、人が通りかかり、男らは逃走。翌朝、家人が自宅の防犯カメラ映像で気付き、府警に届け出た。

 この4か月前にも大阪市で似た事件があり、府警は、何者かがリレーアタックで家の中にあるキーの電波を車に送り、盗もうとしたとみて、窃盗未遂容疑で捜査している。

 府警や自動車メーカーによると、キーを近づけるだけで簡単に車を動かせる機能は「スマートキー」とも呼ばれる。国内では15年ほど前に導入され、多くの車種に使われている。車から常時発信されている微弱電波をキーが受信すると、キーからも電波で特別な信号が車に送られ、正しいキーかどうか確認する仕組み。正しいキーであれば、ドアに触れるとロックが解除され、車内のボタンを押すとエンジンが始動する。車の電波は周囲1メートルぐらいにしか届かないという。

 この仕組みを逆用したのがリレーアタックだ。電波が届かない距離にあるキーと車の間に、電波を拾う特殊な装置を人に持たせるなどして複数台設置し、車から出る微弱電波を増幅・中継してキーに送信。キーからの折り返しの電波を車に送り、作動させる。

 盗んだ車は人目に付かない場所に運び込み、システムを改変するなどして、別のキーで使えるようにするとみられる。

 リレーアタックは、ドイツで交通安全の普及などに取り組む「ドイツ自動車連盟(ADAC)」が約3年前、インターネットに方法などを掲載して注意を呼びかけたことで、知られるようになった。ADACは、車から降りた人を装置を持った犯人グループが尾行し、電波を中継して車を盗むイメージ動画や、実際に民家の車庫に止められた車が盗まれる様子などを公開。日本車を含む220以上の車種を使った実験結果も掲載しており、大半の車種が特殊な装置の作動から数秒でロックを解除され、エンジンをかけられたとする。

 こうした事態を受け、国内の自動車メーカーは対策を急いでいる。

 警察庁はリレーアタックによる被害は確認されていないとしているが、府警幹部は「未遂とみられる事件も起きており、すでに被害が出ている可能性は高い」と話す。

490 0 国内 2019/01/10 15:00:00 2019/01/21 11:59:03 2019/01/21 11:59:03 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20190110-OYT1I50029-T.jpg?type=thumbnail

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