談合メール、迅速に自動抽出…人間関係も示す

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 公正取引委員会は、談合、カルテルの独占禁止法違反(不当な取引制限)の調査で、企業などから提出を受けた電子データの中から、違反の証拠となるメールなどを自動的に抽出する新たなシステムを導入する方針を固めた。新システムはAI(人工知能)の一種とされ、職員の調査手法を学んで膨大なデータの中から必要なデータを見つけ出すことを特徴としており、調査の大幅な迅速化が期待される。

 公取委は、談合やカルテルの疑いのある企業や発注者を独禁法違反の疑いで立ち入り検査する際、関係書類などの提出を求めている。公取委によると、入札の予定価格や事業名などが記されたメールやエクセルなどの電子データは重要な証拠となるが、消去されているケースも少なくない。このため、企業などが所有するパソコンやスマートフォンの全データをハードディスクに移させた上で、提出を受ける。

 こうしたデータは、まず電子機器から消去された電子データを復元・解析する専門チームが復元作業などを行った上でジャンルごとに整理する。その後、調査担当の職員らが1件ずつメールなどを選別していく。同業他社とのメールに予定価格や事業名などのやりとりがあった場合、違反の証拠になる可能性があるためだ。

 新システムは、こうした職員の調査パターンを学習して実行する「マシンラーニング」と呼ばれる機能を持つ。予定価格だけでなく、同業者同士で集まる会合などに関するメールも分析。会合が入札の時期に近いなど、違反が疑われるメールを抽出し、メールをやりとりした人物同士の相関関係を示すことも可能だという。

 また、入札予定の事業や工事の名称とともに、落札業者が記載された一覧表などを探し出すことも想定されている。

 公取委が独禁法違反容疑で立ち入り検査する事案は年間10件前後に上り、調査終了までには1~2年程度かかる。特に談合やカルテルなど複数の企業などが関与する事案ではデータ量は膨大だ。公取委が2017年4月、農林水産省東北農政局(仙台市)発注の復興事業を巡る談合の疑いで約30社を立ち入り検査した際には、分析に半年以上を要した。新システムでは、この期間が半分以下に短縮されることが期待されるという。

 公取委の担当者は「メールだけでも、社員数百人で数年分と考えれば、調査件数が数千万通に上ることもある。新システムの導入は、調査の迅速化と効率化につながる」と話す。

 新システムは、19年度以降に民間業者に設計を依頼した上で、20年度にも運用を始める見通しだ。一方、システムに精通した人材育成が課題で、今後、外部から登用する人材を増やすかどうかも検討する。

284712 0 国内 2019/01/24 07:39:00 2019/01/25 10:46:07 2019/01/25 10:46:07 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20190124-OYT1I50005-T.jpg?type=thumbnail

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