ワンピース像8体、被災自治体が「誘致」合戦

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熊本県庁に設置されているルフィ像(30日)
熊本県庁に設置されているルフィ像(30日)

 熊本県が人気漫画「ONE PIECE(ワンピース)」のキャラクター像8体を熊本地震の被災自治体に設けることになり、31市町村が設置場所に手を挙げた。31市町村は設置にあたり、自治体の特性を生かし、地震からの復興につながるストーリーを提案。県が有識者らに意見を聞いて審査する。人気の高い作品だけに、8体の行方に注目が集まっている。

 ワンピースは熊本市出身の尾田栄一郎さんの作品。像は地震からの復興につなげようと、県が尾田さんの了解を得て昨年11月、1体目として主人公の海賊船長・ルフィを県庁に設けた。

 新たに設けるのはルフィと旅をする「麦わらの一味」の仲間8体。復興を後押ししようと、設置場所は市町村から希望を募って決めることにした。市町村にはキャラクターを最大2体まで選び、復興へのストーリーや、いたずらをされないための安全対策、像の活用策などと合わせて提案するよう求めた。

 制作費は尾田さんが県に寄せた8億円の一部を充てる方向で検討。全45市町村の7割に当たる31市町村が51の提案を出した。

 考古学者・ロビンは、最多の13市町村が希望した。国史跡・井寺古墳が被災した嘉島町は「ロビンの力を借りて古墳の復旧を進め、町のことも広く知ってもらいたい」と期待する。

 次いで多いのが8市町の料理人・サンジ。地震直後、食料の確保が難しかった益城町などが「サンジの料理で子どもたちの笑顔の復活を」などと願う。

 航海士・ナミは7市町村が希望。西原村は風力発電の風車があることにちなみ、「風をよむナミに復興の追い風を呼び込んでほしい」と話す。同じく7市町村の船大工・フランキーには、庁舎が損壊し、建て替える宇土市などが「力を貸してほしい」と期待する。

 6市町村が希望したチョッパーは船医。地震後、国道や鉄道が寸断され、医療・介護分野で人手不足が進んだ産山村などが手を挙げた。

 骸骨姿の音楽家・ブルックは4町村だった。恐竜の骨格標本をそろえた博物館がある御船町は「骨」つながりをアピールした。町内に平成音楽大があることも追い風にしたい考えだ。

 ルフィと最初に仲間になった剣豪・ゾロは3市町にとどまった。希望する大津町は、町内に好成績を収める子どもたちの剣道場があることをPRしている。

 県は18日、県の「観光復興会議」のメンバーら有識者4人に設置に向けた意見を聞いた。有識者からは、丁寧なストーリー仕立てに感心する一方、「内容を考えすぎて、わかりにくいものもある」との声も。広範囲に配置するより、ファンらが回りやすいよう比較的狭いエリア内にまとめるアイデアも出た。

 像の行方には県外からも関心が寄せられている。ワンピースに関するクイズ番組で正答率1位になったこともある会社員の男性(34)(長崎市)は「像が勢ぞろいすれば多くの人に喜ばれ、熊本への注目も集まり、地震の記憶の風化防止にもつながる」と期待する。

 県は4月までに8体の設置場所を決める予定。県知事公室は「多くの市町村からの提案はありがたい。ワンピースの世界観を守り、ファンの方々にも共感してもらえるような配置場所を考えたい」とする。

 ◆ワンピース=1997年、週刊少年ジャンプ(集英社)で連載開始。海賊王を目指す少年ルフィが「ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)」を求め、麦わらの一味とともに冒険の航海を続ける。単行本の累計発行部数は全世界で4億4000万部以上。作者の尾田栄一郎さんは、熊本地震の義援金などとして県に総額8億円を寄付し、ルフィ像はその一部を活用し、設置された。

無断転載禁止
416150 0 国内 2019/02/01 02:57:00 2019/02/01 03:02:13 2019/02/01 03:02:13 熊本県庁に設けられたルフィ像(30日)=本部洋介撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20190130-OYT1I50034-T.jpg?type=thumbnail

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