女性活躍 検事も…4人に1人に

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DVや性犯罪 向き合う

 全国の検察庁などで働く女性検事が増えている。昨年3月末の女性検事は482人と全体(1957人)の25%を占め、10年前の約1・6倍に達した。女性が働きやすい環境整備が進み、被害者支援など活躍の場も広がっている。

 ■心開く容疑者も

 横浜市中区の横浜地検。刑事部に勤務する中山理恵子検事(38)は午後5時を過ぎると荷物をまとめ、長女(3)を迎えに自宅近くの保育園に向かう。昼休みを30分短くする分、午後6時15分の定時よりも退庁時間を早める「休憩時間短縮制度」と、勤務時間を30分短縮する「育児時間制度」の両方を利用しており、「子育てをしながらでもキャリアを積むことができる」と話す。

 任官は2008年。1年目に地方公務員の夫と結婚し、長男(8)と長女を出産した。産休と育休を計約3年取得し、16年4月に捜査の現場に戻った。

 復帰後は、家庭内暴力(DV)や児童虐待事件を扱うことが多くなった。「口の重い容疑者でも、私も子育てで悩んでいると話すうちに、心を開いてくれることもある。出産と育児を経験し、検事としての幅が広がった」

 1980年は2%だった女性検事の割合は、司法試験での女性の合格率が10%程度から20%超へと上昇したのに伴い、2001年に初めて10%を超えた。その後も女性の割合は右肩上がりに増え、昨年12月に任官した新任検事69人のうち、女性は21人と30%を占めた。今年1月時点で全国50地検のうち6地検で女性がトップの検事正に就く。

 結婚・出産後でも働きやすい環境が整備されていることが、女性検事の増加を後押しする。厚生労働省や人事院の17年度の調査では、民間企業に勤める女性の育休取得率が83%だったのに対し、法務・検察を含む多くの中央省庁では100%に達した。

 国は女性検事の割合を20年度までに30%へ引き上げる目標を掲げる。法務省は今後、職場に保育所を設置するなどし、更に女性検事を増やす考えだ。

 ■検事長はゼロ

 虐待を受けた子どもや性犯罪の被害女性への対応など、女性検事の活躍の場も広がっている。

 警察庁によると、18年の児童虐待事件の検挙件数は1355件(暫定値)と、10年前(357件)の4倍近くに急増。捜査では虐待の状況を正確に把握する必要があるが、ある検察幹部は「被害者である子どもは、男性よりも女性に対して心を開きやすい傾向にある。女性検事の存在は大きい」と話す。

 ただ、事件の捜査を基本的に1人で担当する検事は、家庭の事情があっても休みが取りにくい。裁判員制度の導入に伴い、分かりやすい立証に向けた綿密な準備が必要となるなど、検察全体の業務量も増加している。

 東日本のある地検では、子育て中の女性検事が過労で倒れ、結果的に辞職したケースもある。東京地検特捜部など激務とされる部署では、女性の割合は依然として少ないのが実情だ。また、法務・検察の最高幹部クラスである高検検事長以上に女性が就いた例はない。

 日本女性法律家協会(東京)元副会長の武田万里子・津田塾大教授は「人数だけ増やしても男女平等とは言えない。女性に特定の種類の事件ばかり担当させるなど、仕事上で男性との差をつけてはならず、結婚や出産を経た女性もキャリアアップができるよう、法務・検察には更なる環境作りが求められる」と話している。

弁護士は割合低く…環境整備が急務

 法曹三者の中で、裁判官は伝統的に女性の割合が高いとされてきた。2018年12月時点で、全体の22%にあたる773人を女性が占め、割合は10年前より6ポイント増えた。近年は、新たに任官する裁判官のうち、女性は3~4割に上る。

 一方、総数が約4万人の弁護士は、18年3月時点で女性は7462人。割合は19%と裁判官や検事に比べて低い。各地の弁護士会では、育児期間中の会費を免除したり、セクハラ防止規定を設けたりして、女性が働きやすい環境整備を急ぐ。

 日本弁護士連合会の竹森裕子副会長は「女性が法的サービスを利用しやすくなるよう、女性弁護士を増やす取り組みを強化したい」としている。

436141 1 国内 2019/02/08 15:00:00 2019/02/08 20:20:43 2019/02/08 20:20:43 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/02/20190208-OYT1I50040-T.jpg?type=thumbnail

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