[震災8年]原発被災地 「要介護」急増…11市町村 避難 体調に影響

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 東京電力福島第一原発事故による避難指示が出された福島県の11市町村で、要介護認定を受ける人が急増している。最も増加が顕著な葛尾村は、65歳以上の高齢者に占める要介護者の割合(認定率)が8年前から10ポイント余り増え、全国1位の29・2%となっている。長期化した避難生活の影響で体が弱ったり、同居の家族と離れ離れになったりしたことが背景にある。介護サービスの利用が膨らみ、介護保険の保険料も、6町村が全国の上位10位に入るなど高騰している。

認定率 最高レベル…葛尾・双葉

 11市町村への取材結果と、厚生労働省がまとめた全国の自治体の最新データ(昨年11月末時点)を併せて分析した。

 昨年11月末の11市町村の要介護者は計1万2131人。各自治体に住民票を置く高齢者のうち、要介護認定を受けた人がどれだけいるかを示す認定率は、葛尾村に続き、双葉町が26・6%、浪江町が25・3%。避難指示が南側の一部地域にとどまった南相馬市を除く10市町村で、全国平均(18・7%)を上回っている。

 東日本大震災前の2011年1月末の認定率と比べると、18・9%だった葛尾村は10・3ポイントの大幅増となり、全国平均(1・4ポイント増)の7倍超の伸びを記録。双葉、浪江両町も6倍ほどとなっており、11市町村全体では全国の3倍だった。

 介護サービスの提供事業者に支払われる介護給付額も17年度、11市町村で計178億円に達し、震災前の1・5倍に。このため、65歳以上が納める介護保険料の昨年4月の改定(3年に1度)では大幅な引き上げが相次いだ。葛尾村が基準月額9800円で全国1位となったほか、双葉(8976円)、大熊(8500円)、浪江(8400円)、飯舘(8297円)、川内(8000円)の5町村も上位10位に名を連ねた。

 介護利用急増について、葛尾村の担当者は「避難先で農作業などができず、体を動かす機会が減った。3世代同居などの一家がバラバラに避難し、独居や老夫婦だけの世帯が増えたことも影響している」とみる。

 避難指示の対象となった地域の住民は、指示の解除が進む現在も、高所得者を除き、介護保険料と介護サービスの自己負担分が免除されており、避難先でも帰還した地元でもサービスを受けることができる。11市町村の担当職員からは「負担がないため、サービス利用が増えやすい」などの声も出ている。

 11市町村は、団塊の世代が75歳以上となる2025年度には、11市町村全体で介護給付額がさらに48億円増えると推計。これに伴い、保険料も最大で月額約3万2000円(葛尾村)に上がると見込まれている。

 【介護保険】 介護を社会全体で担う目的で2000年4月から始まった制度。介護サービスにかかった費用のうち1~3割を利用者が負担し、残りを40歳以上の国民が支払う介護保険料と、国や自治体の負担で、半分ずつ賄う。65歳以上が支払う保険料については、各市町村が介護サービスの利用実績や需要見込みなどを基に3年ごとに改定。要介護認定は、介護の必要度に応じて「要支援1、2」「要介護1~5」の7段階に分かれている。

471037 1 国内 2019/03/03 05:00:00 2019/03/03 08:43:31 2019/03/03 08:43:31 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/03/20190303-OYT1I50011-T.jpg?type=thumbnail

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