[震災8年]住宅再建補助 対応に差…災害公営退去 11市町「対象外」

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 東日本大震災の被災者に対する住宅再建の補助金を巡り、自治体の対応が分かれている。地震・津波の被災者向けに独自の補助金制度がある岩手、宮城、福島3県の25市町村に取材したところ、14市町村は、いったん災害公営住宅に入居した後に自宅を再建した世帯にも支給しているが、11市町は対象外として不支給だった。災害公営住宅の位置付けや、宅地の確保など復興事業の進捗しんちょくが異なるためだ。被災地は11日、震災発生から8年を迎える。

 

14市町村は支給

 大規模災害で自宅に被害が出て再建や補修をする場合、被災者生活再建支援法に基づき、1世帯あたり最大300万円の支援金が支給される。費用は都道府県が積み立てた基金と国が負担。災害公営住宅を退去した世帯も対象で、所管する内閣府は「生活再建の支援金のため」としている。

 この支援金とは別に、地震・津波の被災者向けに災害公営住宅を設置した3県の45市町村のうち、25市町村が住宅再建に関する補助金制度(利子補給などを除く)を設けている。金額は自治体によって1世帯あたり20万~450万円と差があり、支給基準も異なる。

 災害公営住宅の退去世帯に支給しているのは岩手県陸前高田市、宮城県石巻市、福島県広野町など14市町村。最大200万円を支給する陸前高田市は、土地のかさ上げ工事に時間がかかり、被災者の住宅再建も遅れているため、「災害公営住宅を『仮住まい』として認めた」と説明。住宅再建による固定資産税収入などの効果を挙げる自治体もある。

 一方、岩手県釜石市、宮城県気仙沼市など11市町は支給していない。「災害公営住宅に入居した時点で、住まいに関する公的支援は終了した」(気仙沼市)との見解だ。補助金を支給すると、住宅再建を理由にした退去が増え、自治体の家賃収入の減少なども懸念される。

 災害公営住宅は、自治体が被災者の意向を確認して建設する。一般の公営住宅の整備費用は国が半分を補助するが、東日本大震災の災害公営住宅では8分の7まで引き上げられた。

 3県と各市町村への取材によると、建設された災害公営住宅は約2万4000戸で、昨年12月末までに1927戸が退去した。退去の詳しい理由を確認している29市町村では、「住宅再建」が3割近くを占めた。

 ◆災害公営住宅=災害で自宅を失い、自力で再建することが難しい被災者向けの賃貸住宅で、自治体が国の補助を受けて整備する。仮設住宅とは異なり、恒久的な住宅となる。家賃は収入などに応じて決まる。東日本大震災では、東京電力福島第一原発事故の避難者向けも含めて、岩手、宮城、福島3県で約3万戸が計画されている。

 

災害公営 98%完成

 震災から8年となる被災地は着実に復興している。自宅を失った被災者が暮らす災害公営住宅は1月末時点で、計画の98・4%が完成した。住宅環境の復興に伴い、2012年に岩手、宮城、福島3県で、26万人以上いた仮設住宅(みなし仮設を含む)の入居者は2月末、9542人(岩手2620人、宮城718人、福島6204人)となり、ようやく1万人を切った。

 ただ、避難者は、いまだ5万1778人いる。東京電力福島第一原発事故による避難生活が長期化している影響で、福島県ではこの1年間で48人が震災関連死と認定された。岩手、宮城両県は1人ずつだった。

 被災地では11日、追悼行事が各地で予定されており、地震発生時刻の午後2時46分に合わせ、黙とうをささげる。政府主催の追悼式も、東京都千代田区の国立劇場で行われる。

481179 1 国内 2019/03/11 05:00:00 2019/03/11 05:08:13 2019/03/11 05:08:13 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/03/20190311-OYT1I50011-T.jpg?type=thumbnail

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