クアルコム「拘束」 証拠不十分…公取委審決 排除命令取り消し

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 公正取引委員会は15日、第3世代の通信規格「3G」の携帯電話に関する特許の使用許諾契約を巡り、2009年9月に独占禁止法違反(不公正な取引方法)で米半導体大手クアルコムに出した排除措置命令を「証拠不十分」で取り消す審決をしたと発表した。審決は13日付。同社は同年11月、命令を不服として審判を申し立てていた。

 命令の全面取り消しは、12年6月の日本音楽著作権協会(JASRAC)の著作権使用料を巡る審決以来、7年ぶり。ただ、この時は最終的にJASRACが審判請求を取り下げ、排除措置命令が確定した。

 公取委によると、クアルコムは00年代、3Gの半導体市場をほぼ独占しており、日本国内のメーカーが3Gの携帯電話を開発するには、クアルコムの持つ特許技術が必要不可欠だった。このため、国内十数社のメーカーが00年以降、クアルコムと特許技術の使用許諾契約を締結していた。

 排除措置命令では、この契約条項は国内メーカーが開発した携帯電話の特許技術をクアルコムが無償使用できるようになっていたなどと指摘。「各社の研究意欲を損なわせる一方、クアルコムの市場の地位が強化される」として、独禁法の禁じる「拘束条件付き取引」にあたると認定した。

 これに対し、審決では、問題の契約条項について、「契約を結んだ各社はクアルコムの特許を使用でき、対価を有しない無償のものだとはいえない」などと判断。「研究開発意欲を阻害する恐れがあると推認できるほど不合理とは認められない」として命令を取り消した。

 携帯電話などの通信規格は現在、高速化が進んだ第4世代「4G」が主流で、20年頃には第5世代の「5G」が商用化される見通し。

 クアルコムは「公取委の結論に満足している」とコメント。公取委は「審決を真摯しんしに受け止め、より適切な審査に努めたい」としている。

 ◆審判=公取委の行政処分に不服申し立てがあった場合、公取委職員の審判官が審理する制度。「公取委が処分と不服審査の両方を行うのは公平でない」といった批判を受け、2015年に廃止されたが、廃止前に始まった一部の審判は継続している。

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