公証人「空きポスト」裁判官にも割り当て…最高裁調整

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 法務省と検察庁が早期退職を促す検事正クラスの幹部らに公証人ポストをあっせんしていた問題で、65歳の定年前に早期退職する地・家裁の所長経験者らの一部にも、公証人ポストが割り振られていたことが複数の裁判所関係者の話でわかった。最高裁人事局などの調整に基づき、公証人に空きポストが出ると、高裁の事務局長らが公募前などに再就職を希望する地裁や家裁の所長らに具体的な公証役場名を伝えていた。

 公証人は、遺言などに関する公正証書を作成したり、会社の定款を認証したりする公務員。2002年度から弁護士や司法書士らも対象に公募制が導入されたが、法務・検察だけでなく、裁判所でも調整が行われていたことで、公募の形骸化が一層鮮明となった。

 複数の裁判所関係者によると、裁判官が公証人に再就職するケースは▽地・家裁の所長経験者▽それ以外の裁判官――の大きく二つに分かれ、60歳代前半に再就職するケースが多い。

 所長経験者では、本人が高裁長官らの面談などで公証人への再就職を希望し、それを高裁事務局長が最高裁人事局に伝達。人事局は希望者の自宅の場所や退職時期などの条件を考慮し、該当する公証人ポストに空きが出ると、高裁に連絡し、高裁長官や事務局長が本人に伝えていた。具体的なポストが公募前に提示されることもあったという。

 所長経験者以外の裁判官の場合には、早期退職を促す「肩たたき」の側面があり、地裁所長が本人に打診する際、公証人ポストを提示していた。

 直近5年間に応募した元裁判官92人は全員が面接試験に合格し、公証人に任命されている。

 関東地方の家裁所長だった都内の元公証人は、退職時に東京高裁事務局長から具体的な役場名を提示され、公募に応じたことを認め、「事務局長から『面接で落ちることはまずない』と言われた」と証言する。

 また、東日本で高裁事務局長を務めた男性も、公証人希望の裁判官に具体的なポストを提示したことを認め、「公募は建前だが、優秀な弁護士は応募しないので実害はない」と語った。

 3月末現在で全国の公証人497人のうち、元裁判官は140人(28・2%)、元検察官は199人(40%)に上り、弁護士出身者は一人もいない。

 最高裁広報課は取材に対し、「希望者に対し、いつ頃公募がされそうか、公募前に(上司の)所長らが情報提供することはあり得る。所長らから問い合わせがあれば、最高裁から情報提供することもあり得るが、所長らがどのような方法や内容で情報提供しているのか、個別具体的には承知していない」と説明。「各裁判官は自ら公募に応募しており、再就職先のあっせんではなく、公募制の趣旨にも反しない」としている。

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