知事、リニアで「代償を積まないと」…JR困惑

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川勝知事(左から2人目)に工事予定地の説明をするJR東海の宇野副社長(右)(13日、静岡市葵区で)
川勝知事(左から2人目)に工事予定地の説明をするJR東海の宇野副社長(右)(13日、静岡市葵区で)

 静岡県の川勝知事は13日、未着工となっているリニア中央新幹線静岡工区の工事予定地である静岡市の南アルプス山中を視察した。知事はJR東海に求めている「代償」について、記者団に「地域貢献ということだ。(中間)駅をJR東海が負担して(沿線他県に)作る金額がひとつの目安になる」と述べた。JRに工事同意に対する経済的な見返りを改めて求める姿勢を示した。

 視察は、現在進められている準備工事の安全性や環境への配慮などを確認するために行われた。知事のほか、工事に伴い水量減少が懸念されている大井川の利水団体や関係市町の代表者らが参加した。JR東海の宇野護副社長らの案内で、建設中の作業員宿舎や、トンネル非常口の整備予定地などを回った。

 知事は視察後、「(JRは)速やかに利水者が安心できる回答をしてほしい」と同行の記者団に訴えた。他の沿線自治体が静岡工区の早期着工を求めていることについては「我々は水の問題に苦しんでいる。(他県も)事情を知れば分かるはずだ」と語った。

 一方で、宇野副社長は記者団に「準備工事は終盤戦に来ており、県と話し合いを続けながらトンネル工事に進みたい」と強調した。知事が求める「代償」に対しては、「(沿線の)自治体の財政状況が厳しく、プロジェクトを進めるために(JRが)駅を作ることにした」としたうえで、「静岡県に(リニアの)駅を設置するのは物理的に難しく、そういうことは考えていなかった」と述べた。

「代償」発言にJR困惑

 リニア中央新幹線の工事を巡り、川勝知事が「代償」をJR東海に求める考えを示したことに波紋が広がっている。これまで県がJRとの公式の協議でこのような要求をしたことはなく、関係者は知事の意図をはかりかねている。

 知事は11日の記者会見で、県内にリニアの駅が建設されないことを指摘し、「(JRは)代償を積まないといけない。(中間)駅を作るお金を(沿線他県に)支払う平均額が目安になるのではないか」と、見返りについて初めて述べた。これに対し、JR東海の金子慎社長は12日の記者会見で、「(従来の協議内容と)違う意味なので、(JRに)ボールが投げられたという認識はない」と語った。

 県はこれまでのJRとの協議で、工事でトンネル内に湧く水を大井川に戻し、自然環境や利水への影響を最小限に抑えることに重点を置いていた。6日にJRに提出した中間意見書でも、具体的な水の戻し方などについて回答を求めた。

 JRは工事する南アルプスの自然保護に向け、県などが作る基金に資金提供する考えを示している。これは、水量減少に対する補償とは別の問題として議論されていた。

 知事の発言の意図は不明だが、関係者からは、静岡空港と直結する東海道新幹線の新駅設置の要求を視野に入れたのではないかという臆測も出ている。県は設置に向け、2014年度から予算を計上してきた。

 ただ、JRは掛川駅と近いことなどから否定的で、県と協議をしていない。知事も「水の話とは別次元」との姿勢を維持している。

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637879 0 国内 2019/06/14 16:05:00 2019/06/14 16:05:00 2019/06/14 16:05:00 静岡県の川勝知事(左から2人目)に建設予定地の説明をするJR東海の宇野副社長(右)(13日、静岡市葵区で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/06/20190614-OYT1I50046-T.jpg?type=thumbnail

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