「角切り」したシカ、10頭死ぬ…麻酔が影響か

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3頭にまで減った3歳以上の雄の鹿(9日、鹿島で
3頭にまで減った3歳以上の雄の鹿(9日、鹿島で

 松山市北条沖の鹿島で、秋恒例の「角切り」をした3歳以上の雄鹿13頭のうち10頭が相次いで死んでいたことがわかった。角切りの前に打った麻酔が遠因とみられる。昨年も5頭が死んだことが報告されており、関係者からは早急な対策を求める声が上がっている。(福永健人)

 角切りは、発情期の雄が他の鹿や飼育員を傷つけることがないよう、毎年10月上旬に30~40センチに伸びた角を根元からノコギリで切り落とす行事で、秋の風物詩として親しまれている。今年も1日に獣医師や市の職員らが、3歳以上の雄鹿13頭を麻酔で眠らせて角を切ったが、その日のうちに3頭、2日に5頭、3日に2頭が死んでいるのが確認された。

 県中予家畜保健衛生所が死んだ1頭を解剖した結果、麻酔を打つ際に興奮し、大量に出た唾液が気管に入って起きた誤嚥ごえん性肺炎が死因と判明。内臓出血もあり、麻酔で眠っている間に別の鹿に踏みつけられたものとみられている。

 昨年、麻酔から十分に覚めていない雄が斜面から転落するなどして5頭が死んだといい、市では、覚醒させる拮抗きっこう薬を注射後、鹿が十分に覚めるのを確認してから施設に戻すなどの対策を取った。それでも、先に覚めた雄に蹴られたり、拮抗薬を打っても目を覚まさなかったりした鹿もいたが、市は隔離などの措置は取らなかった。

 鹿島で50年近く売店を営む男性(77)は「毎年1、2頭は死ぬこともあったが、5頭、10頭となると記憶にない。鹿は鹿島神社の使いで、島の観光資源でもある。できるだけ鹿を傷つけない方法を考えてほしい」とため息をついた。

 鹿島と同じ方法で鹿の角切りにあたる県立とべ動物園では、飼育する3頭の角切りは期間をずらして実施し、覚醒後もしばらくは他の鹿と隔離している。椎名修副園長(57)は「麻酔が覚めてもしばらくは意識がもうろうとして、転倒したり、体温調節ができなかったりする。目配りが不可欠」と話す。

 市では今後、地元住民や研究者らでつくる「北条鹿島シカ保護検討委員会」に経緯を報告したうえで、今後の角切りのあり方や繁殖計画について検討する。

    ◇

鹿島 松山市北条から西約300メートル沖にある周囲1.5キロの無人島。明治以前より野生の鹿が生息し、島名の由来となった。鹿は県天然記念物に指定されている。植生保護のため、松山市が1961年に鹿園を設け、9日現在、子鹿を含む52頭(雄5頭、雌47頭)が飼育されている。

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842494 0 国内 2019/10/12 18:22:00 2019/10/12 18:22:00 2019/10/12 18:22:00 角切り後3頭にまで減った3歳以上の雄鹿(9日、鹿島で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/10/20191010-OYT1I50093-T.jpg?type=thumbnail

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