「給食まずい」「残して腹が減る」中学生から市長に手紙…メニュー改善に取り組む

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 かつて中学校の学校給食実施率が全国最下位だった大阪で9月、全43市町村での給食が実現した。ただ、味が不評だったり、選択制で注文が煩雑なために頼む家庭が少なかったりするなどの課題はなお多い。「子どもの貧困」が社会問題となる中、給食の役割を問い直すべきとの声も上がる。(久場俊子)

 

■おかわり続出

 寝屋川市立第十中学校で10月にあった「温かい給食」の試食会。焼き肉を頬張っていた2年の男子生徒(14)は「今までは残すこともあったけど、温かいとご飯も進む」と笑顔を見せ、おかわりする生徒も相次いだ。

 寝屋川では委託業者が作った弁当を配送する「デリバリー方式」で、2012年度に中学校の給食が始まった。ただ、衛生面に配慮し、おかずを冷やして運んでいたため、校内の調理場で作り、出来たてを提供する小学校での食べ残しがほぼ0%なのに対し、中学校では約30%に上っていた。

 市は今年度、4400万円をかけ、保温して運搬できる二重食缶などを購入。6月には「給食がおいしくない。(残して)授業中や部活中におなかがすくこともある」と書かれた中学生の手紙が広瀬慶輔市長に届き、メニューの改善にも取り組んだ。

 広瀬市長は「多くを食べ残していたら、きちんと栄養価が計算された献立も意味がない。まず育ち盛りの子どもがしっかり食べられるようにしたい」と話す。

 

■不満の声も

 府内では、生徒が急増した高度成長期に学校建設を優先したことや、親の「愛情弁当」が奨励されたことで長年、中学校の給食実施率が全国最低だった。

 10年度の文部科学省の調査では、わずか11%。そこで当時の橋下徹知事が「きちんとした食事をとって勉強し、運動することが子どもの発達・発育の最低条件」と給食を導入する市町村への補助制度を創設、急速に実施が広がった。

 ただ、初期費用を抑えようと、多くの自治体が採用したのは民間業者の調理場で作って配送するデリバリー方式で、府内では18年度、中学校の7割(全国1割)に上った。このため、「冷たく、おいしくない」という生徒の不満も根強く、大阪市は学校調理方式に切り替えた。寝屋川市のように保温食缶を導入する動きも出ている。

 一方、「中学では家庭の弁当が定着している」などの理由から、生徒が弁当持参か給食を選べる自治体もある。だが、申し込みや支払いの手続きが複雑だとして、利用が10%以下にとどまる例も少なくない。

 16年度にデリバリー方式の給食を選択制で始めたものの、利用が8%程度という堺市の担当者は「周囲が弁当ばかりだと、多感な年頃では頼みにくい生徒がいるかもしれない」と語る。

 

■「生きた教材」に

 厚生労働省の調査によると、18歳未満の子どもの7人に1人は、平均的な生活レベルより著しく低い水準にある「相対的貧困」の状態とされる。朝食抜きや栄養の偏った食事など食生活の乱れも深刻化する中、給食は「食のセーフティーネット」としての意義も大きく、文部科学省は「生きた教材」と、積極活用を推奨する。

 そこで、堺市の永藤英機市長は「だれもがバランスのとれた昼食を食べられるようにする」と、選択制から全員給食への移行を表明した。枚方市も数年以内に切り替える方針で、茨木、八尾市は検討中だ。

 「給食の歴史」の著者で京都大の藤原辰史准教授(食の思想史)は「家庭の経済格差を学校に持ち込まず、みんなが同じものを食べるのが給食の原点」と強調し、「貧困問題への対策に加え、食材がどこから来たのかなど社会への理解を深めることにもつながる。自治体は給食本来の目的をどう果たしていくのかについて、より考えていくべきだろう」と指摘する。

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938781 0 国内 2019/12/08 10:16:00 2019/12/08 10:16:00 2019/12/08 10:16:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/12/20191208-OYT1I50022-T.jpg?type=thumbnail

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