尼崎のひったくり9割減、プロファイリングで次の発生地予測しパトロール

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ひったくり被害の発生場所に針を刺して職員が傾向を分析した地図
ひったくり被害の発生場所に針を刺して職員が傾向を分析した地図
自転車盗の防止対策に用いているアラーミー(尼崎市で)
自転車盗の防止対策に用いているアラーミー(尼崎市で)

 兵庫県尼崎市が2013年から県警と協力し、ひったくりと自転車盗の重点対策を続け、認知件数を大幅に減らすことに成功している。手口や現場からの逃走経路などを分析し、次の行動パターンを予測する「プロファイリング」の手法を防犯活動に応用。18年のひったくり被害は12年に比べて9割減、自転車盗被害は4割減になった。市は「尼崎は治安が悪い街だというイメージを拭い去ることができれば」としている。(上野将平)

 市生活安全課によると、ひったくりや車上ねらい、自転車盗などの街頭犯罪の認知件数は、市内で12年に6765件。県全域の15・9%を占めた。うち、ひったくりは258件、自転車盗が2845件あり、市の治安を損ねる大きな要因になっていた。

 市は、防犯対策を戦略的に展開して街頭犯罪の減少につなげるため、プロファイリングの手法に詳しい専門家の意見を聞くことを検討。13年に当時、関西国際大の教授だった東洋大社会学部の桐生正幸教授(犯罪心理学)を市の防犯アドバイザーに迎えた。

 ひったくりの発生日時や場所、犯人とみられる人物の逃走経路、目撃情報、被害者の特徴など、分析に必要なデータは同年から、市内3警察署が市に提供。桐生教授の指導で、市職員が手口の特徴から同一犯と考えられるケースを分類して被害場所を地図に落とし込み、次に被害が発生しそうな場所を予測し、警察とも情報を共有しながら、市も重点的に防犯パトロールを実施するなどしてきた。

 15年以降は、街頭などに取り付けられる可搬式防犯カメラ計16台も導入。分析を生かして設置場所を変え、映像を警察にも提供することで容疑者逮捕につながったケースもあるという。その結果、ひったくり被害は18年に16件まで減少した。桐生教授は「的確な対策を打てるようになり、捕まるリスクが高まって『ひったくり犯罪は割に合わない』と思わせることができている」とプロファイリングの効果を強調する。

 自転車盗も、14年から警察の情報を得て分析を始めたところ、市内13か所の駅の近くに被害が集中していることが判明。防犯パトロールの巡回を強化し、盗もうとして自転車を動かすと警報音が鳴る鍵「アラーミー」を仕掛けた「おとり」の自転車を駐輪場に置くなど、窃盗犯に警告を発する対策を講じ、18年に被害を1728件まで減らした。

 市は、22年までに自転車盗被害を1000件未満にする目標を掲げる。稲村和美市長は「尼崎が街頭犯罪の多い街だというイメージから脱却できるかどうかの岐路に立っている。市の強い姿勢を示し、今後も対策を徹底していきたい」と話している。

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967685 0 国内 2019/12/23 16:57:00 2019/12/23 16:57:00 2019/12/23 16:57:00 ひったくりの発生地点を地図に落としながら傾向を分析する職員たち(尼崎市で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/12/20191223-OYT1I50032-T.jpg?type=thumbnail

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