戻らない住民多く、目立つ空き地…「遠い復興」震災9年

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東日本大震災から9年となる11日を前に、整備が進む宮城県南三陸町の震災復興祈念公園には、雨の中、多くの人が訪れた。復興が続く街並みや旧防災対策庁舎を見渡す「祈りの丘」では、犠牲者名簿が納められたモニュメントの前で献花し、手を合わせる人の姿も見られた(10日午後)=冨田大介撮影
東日本大震災から9年となる11日を前に、整備が進む宮城県南三陸町の震災復興祈念公園には、雨の中、多くの人が訪れた。復興が続く街並みや旧防災対策庁舎を見渡す「祈りの丘」では、犠牲者名簿が納められたモニュメントの前で献花し、手を合わせる人の姿も見られた(10日午後)=冨田大介撮影

 東日本大震災から11日で9年となった。岩手、宮城、福島県では住宅再建が進んだものの、復興事業の長期化による人口流出は深刻で、再生された街に空き地が目立つ。東京電力福島第一原発事故に見舞われた福島は、避難指示の解除が遅くなった地域で住民帰還の動きが鈍い。政府が復興の総仕上げとする「復興・創生期間」の終了まで1年。住民も巻き込み、地域のために知恵を出し合う10年目になる。

 高台や内陸部への集団移転事業は、残る16戸の宅地が今月内に完成予定で、計画された8389戸の造成が終わる。災害公営住宅も計画した約3万戸の99%が完成。最大約12万戸あった仮設住宅は、新年度中に原発避難者向けを除いてなくなる見込みだ。ただ、津波対策で大規模なかさ上げを行った中心市街地は、商店や住宅が戻っていない。

 被災地の鉄道は今月、すべて復旧する。福島のJR常磐線富岡―浪江駅間は14日に運転を再開。昨春の復旧後、台風で再び被災した岩手の三陸鉄道リアス線も20日に運行再開となる。

 一方、福島の苦境は続いている。避難者はいまだ4万人超。この9年で避難先での定住が進み、帰還意欲は低い。復興庁の調査で「戻らないと決めている」と答えた住民は、今月に避難指示が一部解除された双葉町や大熊町で6割に上る。

 漁業は原発事故後、魚種ごとに安全性を確認しながら試験操業を続け、本格的な再開を目指してきた。しかし、原発の汚染水を浄化した処理水の処分方法を巡り、政府の有識者会議が海洋放出を含む2案を提言。漁業者の間に風評被害を懸念する声が広がっている。

 政府は、復興庁の設置期限を10年延長して2031年3月末までとした。福島で避難者の帰還促進や風評被害対策に取り組む一方、岩手、宮城では5年をめどに産業振興などを支援する事業の完了を目指す。

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1100809 0 社会 2020/03/10 23:12:00 2020/03/11 13:14:11 2020/03/11 13:14:11 新しく整備された高台の慰霊碑の前で手を合わせる宮城県七ヶ浜町から来た男性。毎年、3月11日が近づくと、沿岸の被災地を回り、手を合わせている(10日午後1時48分、宮城県南三陸町で)=冨田大介撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/03/20200310-OYT1I50086-T.jpg?type=thumbnail

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