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【独自】眠れないほどの熱・せき、入院19日間「死ぬ覚悟した」

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 新型コロナウイルスに感染し、入院治療を受けて回復した北海道旭川市内の70歳代男性と、治療に当たった医師が、読売新聞の取材に応じた。男性は「1か月も日常生活がストップすることがつらかった。まさか自分がかかるとは思わなかった」と闘病生活を振り返った。

 

医師 治療「考え抜いた」

 2月16日から4日間、発熱と下熱を繰り返した。「最初は風邪だと思った」という。男性には、呼吸器疾患の持病があった。20日にかかりつけの病院でコンピューター断層撮影法(CT)検査を受けると、肺の画像に淡く白い影が見つかり、肺炎と診断された。たんなどの検体を採取し、新型ウイルスの検査を受けると、22日に感染が判明。すぐに、市内にある感染症指定医療機関の市立旭川病院に入院した。

 新型ウイルスに対して効果と安全性が確認されている薬は今のところない。治療に当たった同病院の柿木かきのき康孝・血液内科診療部長は当初、せきを抑える薬や抗生物質の点滴薬などを使った。鼻から酸素吸入をする処置も施したが、眠れないほど、せきはひどくなり、38度台の熱も続いた。

 院内の感染対策チームは、同様の患者の治療経験がある東京や札幌の病院に電話をかけ、治療法を尋ねた。その中で、エイズ治療薬「カレトラ」を使っている医療機関があることがわかった。

 柿木医師は、この薬は新型ウイルスに対する有効性が証明されておらず、必ずしも効くわけではないことを知っていた。だが、「このまま黙って見ているよりは、投与した方が良いのではないか」と考えた。男性の同意を得て、28日に使い始めた。すると翌日には熱が36度台まで下がった。男性も「あの日に一気に楽になった」と話す。

 男性の60歳代の妻も感染し、同じ病室に入っていた。柿木医師は、妻にもカレトラを投与した。すると、症状が改善。2人はその後、2度のウイルス検査で陰性が確認され、今月11日に退院した。

 男性のカルテには、「死ぬ覚悟をした」という言葉が記されている。柿木医師は「治療薬がない中、考え抜いた決断だった。幸運なケースだったと思う」と話す。

 旭川市内で飲食店を経営する男性は仕事柄、普段から手洗いやアルコール消毒を励行していたという。男性は、「普段の生活に戻れてほっとした。どこで感染してどこでウイルスを広げているのかわからないのが怖い。予防には強い意識を持つことが必要だと思う」と語っている。

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