キャンプ場「コロナ疎開」お断り、「住民らの健康に代えられない」
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、佐賀県内や長崎県など緊急事態宣言の対象地域ではない地域のキャンプ場で、利用者制限や自主休業が相次いでいる。対象地域の福岡などからの“コロナ疎開客”の増加が見込まれるためだ。関係者は「周辺住民や従業員らの健康には代えられない」と理解を求めている。
「予約がいっぱい入っていたのだが、仕方ない」。11日昼、佐賀市富士町の県営北山キャンプ場。例年、この時期は大勢の家族連れらでにぎわうが、閑散としていた。キャンプ場の男性管理人(67)は残念そうな様子。一方、同市内から会社の同僚と訪れた利用客の男性(24)は「人が少なくて驚いた。県外客の利用を断っていると聞き、感染のリスクは低くなるのかなと少し安心した」と語った。
佐賀県は北山、波戸岬(唐津市鎮西町)の両キャンプ場について、5月6日まで県外客の受け入れを中止している。県によると、両方とも8、9割が福岡からの利用者。ゴールデンウィーク(GW)を中心に週末はほぼ予約で埋まっていたが、全ての県外客に断りの連絡をしたという。
波戸岬キャンプ場では、緊急事態宣言が出るまでは、例年の1・5倍程度で利用客が増えていた。施設の管理責任者(37)は、感染拡大による緊張が続く中、リラックスするために訪れる人が多かったとみていた。「これから利用者数が減少するのが心配だ」と不安げに話す。
長崎県西海市の
しかし、感染者は各地で急増。福岡も緊急事態宣言の対象地域になり、西海市は5月6日までの休止を決定。市の担当者は「普段なら喜んで受け入れるのだが……」と苦渋の表情で語った。