3月下旬から感染拡大か、クルーズ船の集団感染…ウイルス量を分析

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長崎港を離れる「コスタ・セレーナ」(右奥は「コスタ・アトランチカ」)(26日午後8時11分、長崎市で)=秋月正樹撮影
長崎港を離れる「コスタ・セレーナ」(右奥は「コスタ・アトランチカ」)(26日午後8時11分、長崎市で)=秋月正樹撮影

 長崎市の三菱重工業長崎造船所香焼こうやぎ工場に停泊中の大型クルーズ船「コスタ・アトランチカ」で起きた新型コロナウイルスの集団感染は、全乗員(623人)の2割超にあたる148人に広がった。乗員の検査に携わった長崎大の安田二朗教授(ウイルス学)は、読売新聞の取材に「3月下旬から4月上旬にかけて感染が広まった可能性がある」と指摘した。

 イタリアの運航会社「コスタクルーズ」の日本支社によると、乗員はエンジン管理や調理担当などのほか、マジシャンやダンサーらで、国籍はイタリアやインドネシア、フィリピンなど30か国以上。通訳業務も行う日本人が1人いる。感染者の国籍などの内訳は明らかにしていない。

 4月14日、乗員1人が発熱したため19日に長崎市保健所に相談。20日に感染が判明した。この頃には20人以上が発熱などの症状を訴えていたという。

 乗員の検査には、長崎大と医療機器メーカーが共同開発し、安田教授も携わった「LAMPランプ法」を採用。PCR法は温度を上下させてウイルスの遺伝子を増幅させるため、検査に最短でも数時間かかるのに対し、LAMP法は一定の温度で処理できるため、検体の事前処理を含めて最短35分で済む。このため、600人を超える全乗員の検査は25日までに終えることができた。

 安田教授は、採取した乗員の検体からウイルス量を調べて感染時期を分析した結果、感染は3月下旬に始まったと推定。感染拡大の要因を「閉ざされた空間で、一緒に食事を取ったり、相部屋で過ごしたりする中で広がったのではないか」と指摘した。

 同船は1月下旬、修繕のため上海から長崎港に入った。長崎県は世界的な感染拡大を受け、3月13日に三菱重工業を通じて乗下船の自粛を要請したが、4月15日までに約130人が船を乗り下りしていた。

 厚生労働省のクラスター対策班として長崎市入りした国立感染症研究所の鈴木もとい・感染症疫学センター長も、長崎市のホームページで「3月末頃に感染が発生し、比較的短期間で感染が広がったものと推測される」との見解を示している。三菱重工業は乗員の行動歴を調べている。

 県などは、軽症者や無症状の感染者は船内で経過観察し、重症者は医療機関で受け入れる方針。既に重症化した40歳代の男性1人が長崎市内の医療機関で治療を受けている。コスタ社は陰性の乗員について、チャーター機を用意するなど空路で帰国させる方向で調整している。

別の2隻が出港

 香焼工場に停泊していたコスタ社の別のクルーズ船2隻のうち、「コスタ・ネオロマンチカ」は26日、「アトランチカ」への医療支援のため看護師1人を同船に移した後、長崎港を出港した。もう1隻の「コスタ・セレーナ」も同日、出港した。

無断転載禁止
1188880 0 社会 2020/04/27 05:00:00 2020/04/27 14:10:13 2020/04/27 14:10:13 長崎港を離れる「コスタ・セレーナ」(右奥は「コスタ・アトランチカ」)(26日午後8時11分、長崎市で)=秋月正樹撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/04/20200427-OYT1I50017-T.jpg?type=thumbnail

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