東京都内でも「10万円」申請開始…支給日まちまち、募るいらだち

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 新型コロナウイルス対策として国民に一律給付される10万円の「特別定額給付金」について、東京都内各地でオンライン申請の受け付けが始まった。押し寄せる申請の確認作業のため、支給が6月にずれ込む自治体があれば、すでに支給をスタートさせた自治体もある。住民の手に給付金が行き渡る時期はまちまちとなっている。

■「早く支給して」

 「なんとか早く給付金を支給してほしい」

 12日、板橋区役所を訪れていたガイドヘルパーの女性(60)はこう訴えた。お年寄りの通院などに付き添うのが主な仕事だが、利用客が外出する機会が減ったために収入も減少。「高齢者と接するので、マスクや消毒液も自分で買わなくてはならず、生活を圧迫している」とこぼす。

 給付金を受給するには、自治体から送られてくる申請書を郵送するか、マイナンバーカードを使って専用サイトでオンライン申請する必要がある。各自治体は郵送申請に先立ち、今月から順次、オンライン申請の受け付けを始めた。

 読売新聞の取材では、足立、江戸川の2区は既に支給を開始した一方、世田谷区と狛江市は6月上旬の支給を予定。支給時期を「未定」とする自治体もある。板橋区の支給時期は早くても今月下旬だといい、女性は「国の給付金なのに、なぜ自治体ごとにもらえる時期が違うのか」と首をかしげる。

■膨大な作業

 支給までに自治体ではどんな作業が必要なのか。

申請内容を住民基本台帳のデータなどで確認する職員ら(12日、品川区役所で)
申請内容を住民基本台帳のデータなどで確認する職員ら(12日、品川区役所で)

 11日時点で約1万件のオンライン申請があった品川区では、職員が連日、2人1組になって、申請内容と住民基本台帳の情報を照合している。不備がないか1件ずつ目視で確認し、振込先の銀行名や口座番号などに間違いがあれば修正。1日の処理は約100件が限度といい、同区の寺嶋清・特別定額給付金担当課長は「オンライン申請は手入力の項目が多く、ミスがあると支給までさらに時間がかかる」と話す。

 都内最大の92万人の人口を抱える世田谷区の担当者も「事務作業が膨大で、『遅い』と区民からお叱りを受けている」と頭を抱える。他部署からの応援を得て作業を進めているが、担当者は「今月中にも支給を始めるべく最大限の努力はしているが……」と話す。

 渋谷区は区公式フェイスブックで、5月下旬に開始予定の郵送申請を利用するよう呼びかけている。オンライン申請で入力ミスをした場合、区での確認に時間がかかるため、郵送申請よりも支給が遅れることが見込まれるという。 

■「早い対応助かった」

 11日から振り込みを始めた足立区は、給付金担当の部署を4月下旬に設置して早期給付の準備に力を入れてきた。同区では申請処理が完了した分から支払いを進めているという。

 7日に支給を開始した江戸川区は、給付金を盛り込んだ緊急経済対策の国会論議が進んでいた4月下旬には、オンライン申請に関わるシステムの構築に着手していた。10万円を受け取った区民からは「子どもが多く、あす食べていけるかも不安だったので、早い対応で助かった」と感謝されたという。区の担当者は「感染拡大によって生活に困っている人は多いはず。いち早く支給できるようにしたかった」と話していた。

 元三重県知事の北川正恭・早大名誉教授の話「人口の多い大都市圏で、給付金を配る作業は容易ではない。窓口に住民が殺到しないようにしたり、作業する職員も『密』にならないようにしたりするなど制約もある。援助は迅速に行う必要があり、政府も配り方を見直すなど、柔軟な対応が求められる」

無断転載禁止
1217377 0 国内 2020/05/13 10:01:00 2020/05/13 22:19:44 2020/05/13 22:19:44 マイナンバーカードでの申請内容と住民基本台帳のデータなどを手作業で照合する職員ら(5月12日、品川区役所で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/05/20200513-OYT1I50028-T.jpg?type=thumbnail

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