ビーチ「無秩序化」懸念も、ライフセーバー不足で各地の海水浴場断念

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例年、多くの家族連れらでにぎわう南房総市の和田浦海水浴場(南房総市提供)
例年、多くの家族連れらでにぎわう南房総市の和田浦海水浴場(南房総市提供)

 千葉県内の海沿いの自治体が相次いで、今夏の海水浴場の開設を断念している。新型コロナウイルスの感染が再び広がる「第2波」への恐れや、ライフセーバー不足が理由だ。海水浴場が開かれなくても、多くの人が訪れる可能性があり、ビーチの無秩序化を懸念する声も上がっている。(池田寛樹)

 県内では昨夏、17市町村が計57か所の海水浴場を開設し、約95万5000人が訪れた。5日時点で今夏の開設を決めた自治体はゼロ。銚子、旭、横芝光、長生など8市町村が中止を決定した。ほかの9市町は検討中だが、断念する自治体はさらに増える見込みだ。

 各自治体は中止の理由として、〈1〉海岸や「海の家」での密集を避けることが難しい〈2〉ライフセーバーを担う学生の授業や就職活動が夏休み期間までずれ込む――ことなどを挙げる。例年2か所を開設する旭市は「海水浴客の安全のため、1か所に1日あたり6人のライフセーバーが必要。今年はとても集められない」(商工観光課)と説明する。

 開設に向けて準備を進めていた白子町も、昨年まで依頼していたライフセーバー団体に派遣を断られた。中止する方向で検討中という。

 九十九里町は、神奈川県内の海水浴場の全面閉鎖が決まったことを不安材料の一つに挙げる。町産業振興課は「神奈川に行くはずの人が千葉に流れてくる可能性を考慮しなければならない。密集化を招き、感染防止の観点から開設のハードルが高くなる」との見解を示した。

 鴨川、南房総の2市は開設に前向きだが、期間や規模を縮小せざるを得ないという。「7月中は難しいかもしれない」(鴨川市商工観光課)、「昨年までのように全10か所を開設できるとは思えない」(南房総市観光プロモーション課)としている。

 中止が決まった長生村の海水浴場で、祖父の代から海の家を出してきた男性(56)は「残念だが、毎年予約をくれる団体客を複数断った。緊急事態宣言は解除されたが、まだ気を抜ける状況ではない。今年はあきらめる」と話した。

 海水浴場が開設されなくても、海岸への出入りは可能だ。一方、自治体には監視員などを配置する義務はない。開設を見送った銚子市は「海に人は来る。事故やごみの放置を防ぐため、巡視活動はしなければならない」(観光商工課)とする。

 日本ライフセービング協会のスーパーバイザーを務める山本利春・国際武道大学教授(スポーツ救急)は、「開設する場合は十分な感染防止策が必要。開設しなくても、海を訪れる人への注意喚起が欠かせない。どこまで対応できるか、自治体は早急に考えなければいけない」と指摘している。

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1263828 0 社会 2020/06/07 09:45:00 2020/06/07 09:45:00 2020/06/07 09:45:00 来場者でにぎわう和田浦海水浴場(南房総市で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/06/20200606-OYT1I50076-T.jpg?type=thumbnail

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