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満員電車回避 通勤車の定額制いかが…1台独占「感染リスク減る」

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新型コロナウイルス感染拡大の影響で、車の定額利用が増加し、店頭で対応車両の準備をする社員(8日、東京都世田谷区で)
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、車の定額利用が増加し、店頭で対応車両の準備をする社員(8日、東京都世田谷区で)

 新型コロナウイルス感染を警戒し、満員電車を避けて毎月一定の料金を払う「サブスクリプション」(定額制)を利用した車通勤が注目されている。他人が同じ車に乗るレンタカーよりも安心できるのが理由といい、車通勤を解禁したり、駐車場代を補助したりする企業も現れ始めた。

 満員電車は、これまでクラスター(感染集団)が確認されていない。しかし、JR東日本によると、緊急事態宣言が解除された後の今月1~5日、山手線では通勤時間帯の利用者が解除前と比べ、3割程度増えているといい、密閉・密集・密接の「3密」が発生しやすい状況が生まれている。

 中古車販売のガリバーを運営する「IDOMイドム」(東京)は2016年に定額制を導入。これまでの申し込みは月に200~500件程度だったが、今年3、4月はいずれも約2000件、5月は約1300件に上るという。サービス部門の担当者は「感染にとりわけ敏感な医療従事者や自治体職員などで女性が多い」と話す。1月に定額制を始めたホンダ(同)も、新型コロナの影響で利用する人が目立っているという。

 福岡市の美容皮膚科医の女性(28)は4月から、定額制(月約3万円)の車で通勤している。これまではバスやタクシーを使っていたが、クリニックではほぼ1人で施術を行うため、「もし感染すれば休業せざるを得ない。感染のリスクを減らせてほっとしている」と話す。

 5月から定額制(月約3万円)の中古車で通勤しているのは、東京都目黒区の男性会社員(42)。衛生管理が厳しい製薬会社の研究員で、「社全体で感染への警戒意識が高い」という。小学5年の長男の塾の送り迎えなどにも車を利用したいとしている。

 車通勤を支援する企業も相次いでいる。樹脂製品メーカー「大成ホールディングス」(東京)は3月、一部の社員を対象にマイカー通勤を解禁し、社用車も貸与している。徳倉俊一社長は「社内で感染対策を施しても、満員電車で感染リスクにさらされていては意味がない」と話す。化粧品会社のランクアップ(東京)も、車通勤による駐車場・ガソリン代を1日1000円補助している。

 名古屋大の加藤博和教授(公共交通政策)は「コロナ禍によって満員電車の問題が改めてクローズアップされ、通勤手段が車と分散する流れも生まれてきている。ただ、これは当面のリスクを回避する動きといえ、公共交通のニーズは今後も高い。第2波に備えては、満員電車への不安軽減を図る一層の取り組みが必要だ」としている。

 ◆サブスクリプション=元々は雑誌などの「定期購読」を意味する。サービスや商品が一定期間、決まった金額で利用し放題になる仕組みで、映画、音楽の配信からレストランまで導入する企業が広がっている。車の場合、保険や車検などの維持費も料金に含んでおり、1人で1台を独占して利用できる。

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1269629 1 社会 2020/06/10 15:00:00 2020/06/10 15:00:00 2020/06/10 15:00:00 新型コロナウイルスの影響で、車の定額利用(サブスクリプション)サービスの利用者が伸びている、中古車販売の「IDOM」。店頭では社員が定額利用対応の車両の準備をしていた(8日午前10時23分、東京都世田谷区で)=早坂洋祐撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/06/20200610-OYT1I50050-T.jpg?type=thumbnail

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