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10万円給付、ホームレスの受給促進へ…生活再建のきっかけに

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 10万円の特別定額給付金の申請締め切りが迫る中、自治体や民間団体がホームレスらに受給を促す取り組みに本腰を入れている。住民登録がないために受給をあきらめたり、制度を知らなかったりする人たちに必要な手続きを手助けし、生活再建につなげるのが狙いだ。(石坂麻子)

◆迫る申請期限

 ブルーシートのテントが並ぶ東京都江戸川区の荒川河川敷近くの緑道。6月26日、区の委託職員がテントを回り、定額給付金のチラシと政府支給のマスクを配布していた。職員はホームレスの男性(62)に「相談に来てくれれば、住民登録の手続きもしますよ」と呼びかけた。

 給付金は、自治体の住民基本台帳に登録されている人が対象となるが、ホームレスには長期間、居住の実態がないとして住民登録を抹消された人もいる。江戸川区は、地域の自立支援センターに入居してもらった上で新たに住民登録の手続きを行い、生活保護と併せて給付金の受給を促している。区内には約50人のホームレスがいるとされ、担当者は「給付金を福祉につなげるきっかけにしたい」と話す。

 給付金の申請期限は、自治体が郵送形式の申請受け付けを開始した日から3か月以内と定められており、8月中に期限を迎える自治体が多い。総務省によると、今月17日までに全世帯の約92%に当たる5412万世帯への給付が終わった。自治体の中には、取り残されているホームレスらの支援に力を入れる所もある。

 96%以上の世帯への給付を完了した神戸市では5月下旬から、市内に35人ほどいるホームレスのもとを巡回。個人情報を明かしたがらない人も多い中、何度も通って説得を重ねてきた。住民登録が確認できたり、新規に登録し直したりし、金融機関の口座がない人には現金を手渡ししている。担当者は「約20人が給付金を受け取れる見通しになった。締め切りまでまだ時間があるので、できるだけ受け取ってもらえるようにしたい」と話す。

 東京都荒川区では、台東区とまたがる簡易宿泊所の密集地・山谷地区でチラシを配布した。担当者は「簡易宿泊所で住民登録した人からも申請があった」と話す。

 生活困窮者を支援するNPO法人「自立生活サポートセンター・もやい」は週2回、東京・新宿でコロナ禍で生活が立ちゆかなくなった人らを対象に相談会を行い、給付金の受給手続きを手伝うこともある。東京・上野で路上生活を送っていた男性(58)は6月下旬、3時間歩いて相談会に参加。「給付金を使って生活を立て直し、また働けるようにしたい」と意気込んだ。

◆ネットカフェ難民も

 厚生労働省の2019年の調査ではホームレスは全国で約4500人、都の18年公表の調査ではネットカフェ難民は都内に約4000人いた。総務省は今回の10万円給付に当たり、自立支援センターや簡易宿泊所、ネットカフェなどでも住民登録ができることを自治体に周知した。しかし、同センターには定員があるほか、ネットカフェは身分証の提示を求められるケースが多く、そもそも住民登録がないと利用できない。約1000店舗が加盟する日本複合カフェ協会(東京)によると、これまで住所として登録された例はないという。

 支援団体側は、住民登録を支給の条件にしないよう求めているが、総務省側は「二重給付防止の観点から難しい」としている。「もやい」の大西連理事長は「期限が近づき、もらえないのではと焦りを感じている人も多い。条件を緩和し、本人確認ができれば給付するべきではないか」と話している。

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