読売新聞オンライン

メニュー

ニュース

動画

写真

スポーツ

コラム・連載・解説

発言小町

漫画

教育・受験・就活

調査研究

紙面ビューアー

その他

サービス

読売新聞のメディア

購読のお申し込み

読売新聞オンラインについて

公式SNSアカウント

破産者氏名・住所を掲載するサイトに停止命令…有料で掲載削除受け付けて収益か

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 政府の個人情報保護委員会は29日、自己破産者らの氏名や住所をインターネット上に掲載する二つの情報サイトの運営者を対象に、サイト運営を停止するよう命令を出したと発表した。同委が個人情報保護法に基づき命令を出すのは初めて。

 同委によると、二つのサイトには、全国の破産者らの旧姓を含む氏名、住所、職業が掲載。利用は無料で氏名検索もできる。破産者に関する官報の公開情報を基に独自に一覧表を作成したとみられ、同委は、運営者が破産者らから掲載の削除を有料で受け付けるなどして収益を上げてきた可能性があるとみている。

 個人情報保護法は、本人の同意なく個人情報を第三者に提供することを禁じるほか、個人情報を利用する際は目的を本人に通知する義務も定める。同委は「破産という他人に知られたくない情報を本人の同意なくネットに掲載し、悪質だ」として、二つのサイトが同法に違反したと判断した。

 同委は今年4月、二つのサイトについて、東京簡裁に公示する形で停止を勧告した。だが、運営者からの連絡はなく、停止命令に踏み切った。運営者が停止命令に従わない場合、同委は刑事告発し、運営者は6月以下の懲役または30万円以下の罰金が科される可能性がある。

 

「さらされる社会」危機感

 個人情報保護委員会が初めて停止命令を出した背景には、ネット上に大量の個人情報がさらされる社会への危機感がある。

 破産者の氏名や住所は政府発行の「官報」で公開され、誰でも閲覧できる。ただ、それは債権者を保護するためであり、今回のサイトのように官報の情報を集積して一覧化し、収益目的などで利用されることは想定していなかった。個人情報保護に詳しい岡村久道弁護士は「過去の破産情報は前科情報と同じように守られるべきプライバシーで、個人情報の目的外の利用は許されない」とする。

 破産者の情報をネット掲載した「破産者マップ」は昨年も現れた。昨年8月には、就活生の内定辞退率を販売した就職情報会社も勧告を受けている。規制を強めるため、今年6月に成立した改正個人情報保護法は「違法・不当な行為を助長する個人情報の利用禁止」を新たに明記した。

 同委は、今回の情報サイトが閉じなければ刑事告発も辞さないという。個人情報の違法利用への包囲網は狭まるが、行政機関が公開情報そのものを制限すれば、国民の「知る権利」の侵害にもつながりかねない。人権を守りつつ、公益性の高い情報の公開を堅持することが求められる。(畑武尊)

無断転載・複製を禁じます
1374192 0 社会 2020/07/30 05:00:00 2020/07/30 08:35:33 2020/07/30 08:35:33

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)