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悲惨な戦禍から奇跡の復興、そして東京五輪…動画で考える「戦後75年」

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 先の大戦の終戦から15日で75年。原爆、特攻隊、沖縄など多くの人が犠牲になった戦禍を実際に知る人は少なくなりました。戦後の奇跡的な復興をふくめ、当時の人々の思いを私たちが知るために、読売新聞が公開してきた10本の動画を紹介します。文学作品や映画、手記、歌詞などの言葉をハイライトしたものが中心です。その言葉が発せられた土地の景色もあわせてご覧ください。また、北方領土は空撮の映像を、実態解明が進まないシベリア抑留についても貴重なドキュメンタリーフィルムを用意しました。

(見出しや写真をクリックしてください。動画の説明文やテロップは公開当時のものです)

広島―人類史上初の原爆投下、被爆

名言巡礼 映画「黒い雨」から 広島市

 「名言巡礼」は、古今の名作に登場する珠玉の言葉、舞台となった風景などを紹介したコーナーで、2011年4月から7年間続きました。13年8月には、今村昌平監督の映画「黒い雨」(1989年)から、主人公・閑間重松の言葉「正義の戦争より不正義の平和の方がまだましじゃ」と、原爆忌に平和の尊さを伝える広島市を紹介しました。1945年8月6日に史上初めて投下された原爆の恐ろしさは爆風と熱線で瞬時に人命を奪い、都市を壊滅させたことにとどまりせんでした。大量に放出された放射線は、人体の細胞の中まで傷つけました。重松は友人や妻を原爆症で失い、郊外にいて黒い雨を浴びただけの姪までが倒れました。そのような時に、朝鮮戦争を報じるラジオを聞き、独り憤りました。原作は井伏鱒二が書いた同名小説です。

名言巡礼 「父と暮せば」から 広島市

 井上ひさしの戯曲「父と暮せば」(1994年初演)から、「人間のかなしいかったこと、たのしいかったこと、それを伝えるんがおまいの仕事じゃろうが」と広島市を紹介します。物語の舞台は、終戦から3年後の広島。図書館に勤める23歳の主人公・美津江の前に亡父が現れ、生きる意味を説いた言葉です。井上は、人類に警告を続ける遺物の声を聴こうと、広島の街を巡りました。この動画では、被爆当時を伝える遺物のほか、広島で被爆した詩人で小説家の原民喜(1905~51年)にもふれます(2016年3月6日公開)。

特攻隊員―出撃前に「最後の願い」

 太平洋戦争で劣勢になった日本軍は、飛行機や小型艦艇による敵艦への体当たり攻撃で戦局の立て直しを図りました。このような死を前提とした特別攻撃は、1944年10月のフィリピン戦線から終戦まで続きました。

名言巡礼 「きけ わだつみのこえ」 鹿児島県・知覧

 陸軍特攻隊員として知覧飛行場から1945年5月に出撃した上原良司少尉の言葉と、知覧を紹介しました。上原さんの言葉「ただ願わくば愛する日本を偉大ならしめられん事を、国民の方々にお願いするのみです」は、戦没学生の遺稿集「新版 きけ わだつみのこえ」の冒頭で紹介されています。慶応大生だった上原さんは学業途中で召集され、出撃当時は22歳。戦闘機で沖縄の米軍機動部隊に突入、若き命を散らしました。出撃の前夜、「遺書」とは別に率直な思いを「所感」に書きました。「空の特攻隊のパイロットは一器械に過ぎぬ」「理性をもって考えたなら実に考えられぬ事」とし、日本の敗北を見通しながら、上記の「願い事」を書き残しました。動画では、別の特攻隊員が乗り込んだ戦闘機を帽子を振って見送る父親、飛行場近くで食堂を経営する女性と隊員との交流にもふれています(2015年4月12日公開)。

名言巡礼 映画「月光の夏」 佐賀県鳥栖市

 実話をもとにした映画「月光の夏」(1993年)のせりふ「思い切りピアノば弾いてから死にたか」と、舞台となった佐賀県鳥栖(とす)市を紹介しました。1945年初夏、ドイツ・フッペル社製のグランドピアノがある鳥栖国民学校(現・鳥栖市立鳥栖小学校)を特攻隊員2人が訪ねました。出撃前に、ぜひピアノを弾きたいとの思いから、所属する基地から線路を10キロ余り走って来たといいます。隊員は、ベートーベンの「月光」を弾くと、去っていきましたーー。この場面に立ち会った元教師の女性が終戦から40年以上たってから思い出を明かすと、大きな反響を呼び、「月光の夏」として小説や映画で描かれました。老朽化のために廃棄されかけていたピアノは文化施設で展示されるようになりました(2015年5月3日公開)。

沖縄―激戦地、米軍基地、そして世界で愛される歌

名言巡礼「ざわわ ざわわ ざわわ」 沖縄県糸満市

 作曲家の寺島尚彦さん(1930~2004年)が1967年時に発表した「さとうきび畑」のフレーズ「ざわわ ざわわ ざわわ」と、沖縄県糸満市を紹介しました。国内唯一の地上戦が起きた沖縄では、米軍は本島に上陸後、南下し、日本の将兵と民間人は次第に追い詰められていきました。本島の最南端に位置する糸満市には、ひめゆりの塔など、戦争の記憶を伝える施設が集中しています。寺島さんは64年、米国統治下の沖縄を訪れ、激戦地となった摩文仁(まぶに)に広がるサトウキビ畑に着きました。案内人に「あなたの歩いている土の下に、まだたくさんの戦没者が埋まったままになってる」と説明されて衝撃を受け、曲の構想を練り始め、自ら詩を手がけました。曲は森山良子さんら多くの歌手が歌い、平和の大切さを訴えています(2012年9月16日公開)。

名言巡礼 喜納昌吉「泣きなさい 笑いなさい」 沖縄市

 音楽を通し平和や反戦を訴え続ける歌手の喜納(きな)昌吉(しょうきち)さんの曲「すべての人の心に花を」(1980年) から、「泣きなさい 笑いなさい」と、沖縄県沖縄市を紹介しました。16歳の秋、喜納さんはテレビに映った東京オリンピックの閉会式の光景に見入り、涙を流しました。選手たちが人種や国籍を超えて肩を組み抱き合い、喜びをみなぎらせ、その様子をアナウンサーが「泣いています、笑っています」と伝えていました。平和や人と人が結びつくことの尊さに胸がいっぱいになったのです。喜納さんが生まれた沖縄市は嘉手納基地を抱え、基地の町として知られます。町のもう一つの顔は音楽。喜納さんは沖縄民謡とポップスを融合した陽気な音楽を作るようになり、「すべての人の心に花を」は海外でも歌われ、愛されるようになります(2016年5月1日公開)。

復興と発展―東京オリンピックと大阪万博開催

感動のメダルラッシュ~1964東京大会

 アジア初のオリンピックとなった1964年東京大会。会場をグーグルアースでたどりながら大会を懐古する“時間旅行”にお連れします。「東洋の魔女」と呼ばれた女子バレーボールチームなど日本人金メダリストの活躍から、各国の選手が仲良く交じって行進した閉会式まで、当時の熱気とともに伝えします(2020年3月4日公開)。

名言巡礼 岡本太郎の言葉「芸術は爆発だ!」大阪府吹田市

 芸術家・岡本太郎の言葉「芸術は爆発だ!」と、1970年に開催された大阪万博の会場があった大阪府吹田市を紹介しました。岡本によれば、芸術とは、生きることそのもの。爆発とは、ドカーンと破裂するのではなく、「宇宙に向かって精神が、いのちがぱあっとひらく」こと――でした。万博当時、日本は高度成長のただ中でした。今も万博記念公園に立つ「太陽の塔」は代表作ですが、岡本は科学技術の発展を手放しで賛美しませんでした(2018年1月7日公開)。

北方領土と抑留―なお残された問題

「北方領土」最新映像

 日露の平和条約交渉が続くなか、帰属問題が最大の焦点となっている北方領土。その様子を2019年1月30日、北海道・根室半島沖から撮影しました。歯舞群島・水晶島の特徴的な十字形、国後島にそびえる北方4島最高峰の活火山・爺爺岳(ちゃちゃだけ)などが青い海に浮かんでいました。

モンゴルに抑留された日本人の映像入手

 第2次世界大戦後に日本兵ら57万5000人がソ連全域とモンゴルに連行されたシベリア抑留。モンゴルに連行された日本人抑留者が建築現場で労働に従事させられている場面を撮影したフィルムを、読売新聞がモンゴル国立中央公文書館から入手しました。抑留者が働いている映像や写真は珍しく、2020年4月に公開しました。なお、政府による強制抑留の実態解明を柱としたシベリア抑留者特別措置法の制定から今年6月で、10年がたちました。しかし、今も抑留中死亡者約5万5000人のうち約1万5000人の身元特定ができないまま、遺族の高齢化が進んでいます。

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1392592 0 社会 2020/08/06 15:09:00 2020/09/02 12:12:13 2020/09/02 12:12:13 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/07/20200731-OYT1I50029-T.jpg?type=thumbnail

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