[STOP ネット暴力]「うちの県にコロナ持ってきた」…「感染者狩り」横行、実名特定・中傷エスカレート

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 新型コロナウイルスの感染が拡大する中、インターネット上では、感染者やその家族らを特定し、中傷や差別的な内容の書き込みが繰り返されている。「感染者狩り」と呼ばれる行為だ。実際に標的となった東海地方に住む40歳代の男性が「目に見えないウイルスより、人の目の方が恐ろしかった」と胸の内を明かした。(星野達哉)

被害男性「ウイルスより恐ろしい」

 感染したのは、男性の10歳代後半の子供だ。普段は隣県の都市で暮らしているが、4月に帰省した際、発熱があり、感染が判明。その当日、男性の居住県は「県外から来た感染者」の1人として匿名で発表した。

 しかし、発表前に<○○地域で感染者ってほんと?>などとネット上でうわさが広まり、東海地方向けのネット掲示板やSNS上には〈うちの県にコロナを持ってきた〉〈このバカな感染者は誰なんだ?〉と、子供や家族を特定しようとする書き込みも現れた。

 県の発表から数時間後。<○○病院(に入院)ってうわさがある>などと投稿され、子供や男性がまもなく特定された。その後は一部を伏せた実名とともに、2人を中傷する書き込みが相次いだ。

 〈バイオテロリスト〉〈世の中から消えてほしい〉

 その頃、政府は県境を越える不要不急の移動自粛を呼びかけていた。投稿の内容は敵意をむき出しにしたものへとエスカレートし、デマもあふれていった。

 〈スーパーで目撃情報がある〉〈毎日パチンコに通っていた〉。子供は帰省してから入院まで一度も外出していないが、根も葉もない情報が独り歩きした。

     ◎

 家族の生活は一変した。「コロナ持ち込むな。出て行け!」。自宅の留守電には2人を罵倒する言葉が吹き込まれていた。家族の感染はなかったが、なじみのスーパーや美容院から、「もう来ないでほしい」と遠回しに告げられた。外に出られなくなり、一時は食料や生活用品を親族に届けてもらって過ごした。

 子供の行動について、男性は「そこまで非難されることなのだろうか」と戸惑う。納得しがたいのは、デマを信じ込んで〈素行の悪いやつだ〉と中傷を書き込まれたことだ。

 男性は「そんな子ではないと説明したい」と訴えるが、行動できずにいる。「再びネットに中傷やデマが広がれば、家族に危害が及ぶかもしれない。黙って時がたつのを待つしかない」と悩んでいる。

無断転載・複製を禁じます
1385754 0 社会 2020/08/04 18:00:00 2020/08/05 01:15:40 2020/08/05 01:15:40

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

アクセスランキング

新着クーポン

NEW
参考画像
500円400円
参考画像
ランチでご来店のお客様にジェラートをサービス
参考画像
アクティビティご利用でソフトドリンク1本サービス

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)
ページTOP
読売新聞社の運営するサイト
ヨミダス歴史館
ヨミドクター
発言小町
OTEKOMACHI
元気ニッポン!
未来貢献プロジェクト
The Japan News
YOMIURI BRAND STUDIO
美術展ナビ
教育ネットワーク
活字・文化プロジェクト
よみうり報知写真館
読売新聞社からのお知らせ