終わらぬ夏<7>天国の満州、1日で地獄…作詩家・なかにし礼さん(81)

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なかにし・れい 本名・中西礼三。作詩家、作家。1938年、満州・牡丹江市生まれ。「天使の誘惑」「今日でお別れ」「北酒場」の3曲のレコード大賞受賞曲に加え、「恋のフーガ」「心のこり」「まつり」など多くのヒット曲を手がけた。直木賞受賞作「長崎ぶらぶら節」などの小説でも高く評価されている。
なかにし・れい 本名・中西礼三。作詩家、作家。1938年、満州・牡丹江市生まれ。「天使の誘惑」「今日でお別れ」「北酒場」の3曲のレコード大賞受賞曲に加え、「恋のフーガ」「心のこり」「まつり」など多くのヒット曲を手がけた。直木賞受賞作「長崎ぶらぶら節」などの小説でも高く評価されている。

 満州(現中国東北部)の牡丹江ぼたんこうで造り酒屋を営む両親の下、1938年に生を受けました。3歳の時、太平洋戦争が始まったが、満州では次第に悪化する戦況とは無縁で、ぜいたく三昧の生活が続きました。あの日までは……。(聞き手 西田 浩、写真 鈴木竜三)

 45年8月9日、ソ連軍が満州に進撃。2日後、無数の飛行機が牡丹江を爆撃しました。この時、父は新京(現長春)に出張中。しかし、「逃げる」と決断した母はつてを頼り、その晩、ハルビン行きの軍用列車に乗せてもらうことに。「これは遠足みたいなもの。またここに帰ってくるんだ」。そう思っていました。

 翌朝、列車は突然止まり、誰かが「敵機来襲」と叫びました。皆われ先に外へ飛び出し、私はとっさに座席の下にもぐりました。ソ連機は機銃掃射を繰り返しました。それが終わり、我に返ると、目の前には頭を射抜かれ血を流している軍服姿の男が倒れていました。数十センチ銃弾がずれていたら私が死んでいたのです。

 おびただしい死体は外に放り出されました。死体が原野に落ちると、現地人が集まり、服や金歯などをはぎ取る。天国だった満州は1日で地獄に変わったのです。先行した軍用列車も同じ目に遭ったのでしょう。線路脇には行けども行けども丸裸の死体がころがっていました。

 ハルビンに到着したのは、15日昼頃。そこで、満州兵たちから日本の敗戦を知らされました。列車の中にはすすり泣きの声が広がりました。母も姉も泣いていました。

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1394057 0 社会 2020/08/07 05:00:00 2020/08/13 17:18:08 2020/08/13 17:18:08 戦後企画用追加、なかにし礼さん(6月10日、東京都港区で)=鈴木竜三撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/08/20200807-OYT1I50015-T.jpg?type=thumbnail

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