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球磨川支流に歓声戻る、渓谷体感ツアー再開…豪雨災害から復興の一歩

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球磨川の支流でキャニオニングを楽しむ参加者たち(22日午前10時23分、熊本県人吉市で)=木佐貫冬星撮影
球磨川の支流でキャニオニングを楽しむ参加者たち(22日午前10時23分、熊本県人吉市で)=木佐貫冬星撮影

 九州豪雨で大きな被害を受けた熊本県人吉市で22日、球磨川支流の渓谷を楽しむアウトドアスポーツ「キャニオニング」のツアーが再開された。同県南部では今なお生活再建のめどが立たない被災者が多い。地元のアウトドア会社も壊滅的な打撃を受けたが、多数の犠牲者が出た7月4日から「四十九日」が21日に過ぎたことから、人気の体験型観光を復活させた。(林航)

 キャニオニングは、川の岩肌を滑り降りたり、滝つぼに飛び込んだりするスポーツ。ウェットスーツにヘルメット、救命胴衣を身につけて行う。球磨川支流では、約15年前からラフティングなどのツアー会社「ランドアース」(迫田重光社長)が主催しており、観光の目玉の一つとなっている。

 ただ、豪雨では同社も球磨川の氾濫で球磨村の事務所やゴムボートなどが流され、存続が危ぶまれるほどの被害を受けた。しかし、そんな中でも、従業員らはゴムボートを使って救助に尽力。ボランティアにも取り組んできた。このため、事務所はまだ骨組みの状態のままで、クラウドファンディングで再建資金を募っている。

 国土交通省八代河川国道事務所によると、球磨川の水質は改善されつつあるものの、まだ濁りが残る場所もある。川の底に豪雨で流された障害物が残っていたり、地形が変わっていたりする可能性があり、安全確認ができない状態が続く。このため、年間約3万人を集めたラフティングの再開は、見通せないでいる。

 一方、キャニオニングを行う人吉市内の支流は被害が少なく、1週間程度で元の「清流」の姿を取り戻していた。しかし、迫田さんは「夏休みは多くの人が訪れるが、豪雨で亡くなられた方や被災した人の心情を思うと、すぐには再開できなかった」という。悩んだ末、7月4日から「四十九日」を21日に終えたことから、22日からのツアー再開を決めた。

被災した事務所で片付けをする迫田さん(7月21日、熊本県球磨村渡で)
被災した事務所で片付けをする迫田さん(7月21日、熊本県球磨村渡で)

 再開にあたり、泥だらけになったウェットスーツを洗い、流された救命胴衣などを新調した。22日には、新型コロナウイルス対策として、人数を通常の半分程度に制限して実施。午前10時頃から人吉市内を流れる胸川水系の「布の滝」で、5人が水しぶきを上げて「天然のウォータースライダー」を楽しんだ。同県大津町の公務員の女性(42)は「再開を心待ちにしていた。水が冷たくてとても気持ちよかった」と笑顔を見せた。

 人吉球磨地方の観光業は、早期の再開が難しい事業者も少なくなく、人吉温泉観光協会の中村和博専務理事(45)は「キャニオニングが再開して徐々にお客さんが戻れば、地域が活気づいて復興の励みになる」と期待を寄せる。ガイドを務めた久保田立爾りゅうじさん(38)は「お客さんの笑顔が復興への第一歩になる。なんとかこの試練を乗り越えたい」と語った。

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1427017 0 社会 2020/08/22 15:00:00 2020/08/22 15:00:00 2020/08/22 15:00:00 球磨川支流の胸川水系で、キャニオニングを楽しむ人たち(22日午前10時23分、熊本県人吉市で)=木佐貫冬星撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/08/20200822-OYT1I50035-T.jpg?type=thumbnail

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