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台風10号の接近に伴い、佐賀県内では全20市町の計約300か所に避難所が設置され、7日朝までに最大で9590世帯2万712人が身を寄せた。各自治体は新型コロナウイルスの感染防止にも気を配りながら、対応に当たった。

佐賀市は今回、より多くの住民を受け入れ、感染症対策の観点で十分なスペースも確保するため、公民館ではなく小学校を中心に避難所を開設した。それでも一部で利用者数が想定を上回り、市は施設を追加し、住民を誘導した。
同市川副支所では会議室のほか、廊下も開放し、定員を超える避難者を受け入れた。避難した近くの女性(78)は「コロナも不安だが、身の安全の方が大事だ」と話し、江頭吉一支所長は「できる限り3密にならないよう努めた。避難者がこれ以上増えたらどうしようかと考えていた」と振り返った。
唐津市は住民のニーズに応えようと、避難所で使っていない部屋があれば開放するよう指示。市高齢者ふれあい会館「りふれ」は和室に加え、ロビーや軽運動室なども活用し、最終的に定員の6倍に上る182人を受け入れたという。
梅崎時彦・市防災対策監は「災害とコロナウイルスへの対応はこれからも続く。今回の流れを検証し、さらに効果的な対策につなげていく」と語った。
武雄市は、感染防止などのため、高さ1・8メートルの段ボール製の間仕切りを避難所に用意した。ただ、「暑いから」と高さの低い仕切りを使う人もおり、御船が丘小の体育館に身を寄せた80歳代女性は「風通しを優先した」と話した。
一方、宿泊施設に泊まる人も多く、同市の武雄温泉街では6日夜、旅館が相次いで満室となった。「湯元荘東洋館」の江口敬子社長(55)は「避難者で満室になったのは今回が初めて」と語る。宿泊した同市の女性(95)は「足が悪いので旅館に避難した」と話していた。