宮崎の教訓、台風の中心から遠くても大雨被害の可能性

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 九州の西海上を7日に通過した台風10号は、台風の中心から離れた宮崎県や四国に大雨をもたらした。24時間雨量の上位は宮崎県が占め、椎葉しいば村では、昨年9月の1か月間の約1・8倍に。台風シーズンが続く中、気象庁は「台風から離れた場所でも早めの避難を」と呼びかける。椎葉村では12日、土砂崩れで行方不明になっている4人の捜索が続いたが、発見には至らなかった。

 

■進路や地形影響

 宮崎県内で雨が強まったのは6日。椎葉村では午後4時の1時間雨量が30ミリを超えた。この時点で台風は、鹿児島県・屋久島の南西約80キロを時速35キロで北に進んでいた。台風の中心と椎葉村とは300キロ以上離れていた。6日に村の避難所に身を寄せた男性(84)は「急に雨が強くなり、経験したことのないような大雨になった」と振り返った。

 気象庁によると、台風10号に伴う24時間雨量の上位10地点のうち6地点を宮崎県が占めた。最も多い宮崎県美郷町は522・5ミリ。椎葉村は439ミリで、昨年9月の1か月(245・5ミリ)を大きく超えた。熊本県湯前町は宮崎県境にあり、ほかは高知県仁淀川町など四国の3地点だった。一方、最大瞬間風速59・4メートルを記録した長崎市・野母崎では、6~7日の総雨量が32ミリにとどまった。

 なぜ、台風の中心から離れた宮崎で大雨になったのか。宮崎地方気象台によると、台風の影響で暖かく湿った空気が、太平洋側から宮崎県に流れ込み、九州山地にぶつかって大雨をもたらしたという。今回と似たルートをたどった2005年の台風14号でも大雨となっていた。宮崎地方気象台は「今回の大雨は宮崎特有の降り方だった。ただ、宮崎に限らず、台風の進路や風向き、地形によって、台風の中心から離れた場所で大雨になることはある」と注意を呼びかける。

 

■斜面崩落2段階

 椎葉村では6日午後5時からの3時間で100ミリを超える雨が降った。4人が行方不明になった土砂崩れは、午後8時過ぎに起きたとみられる。斜面が幅20~40メートル、長さ200メートルにわたって崩れた。

 村によると、救出された建設会社経営の男性(70)は「『ドーン』と大きな音が2度聞こえ、気付いたら真っ暗になっていた」と話しているという。

 現地調査をした国土技術政策総合研究所(茨城県つくば市)の山越隆雄・砂防研究室長は、斜面中腹のくぼんだ部分に大量の雨がたまり、表土が崩れる「表層崩壊」が起きたと分析。さらに、その上部も引きずられるように崩れたとみる。

 土砂は男性の自宅と会社事務所をのみ込み、そばを流れる十根川を越え、対岸まで達した。崩れた斜面の傾斜は平均34度で、山越室長は「急傾斜で土砂の勢いが増した」と話す。

 

■4人捜索続く

塚原ダムで捜索活動を行う消防団員ら(12日、宮崎県諸塚村で)=小川哲雄撮影
塚原ダムで捜索活動を行う消防団員ら(12日、宮崎県諸塚村で)=小川哲雄撮影

 宮崎県警などは12日、約120人態勢で行方不明者の捜索活動を行った。村は、4人が川に流された可能性が高いとみており、捜索範囲を約20キロ離れた塚原ダムまで広げている。ただ、態勢は縮小され、当初の4割ほどに。ダム湖の流木も捜索を妨げる。行方不明の女性(68)と幼なじみだという女性(68)は「時間は過ぎていくが、奇跡が起こってほしい」と無事を願った。

 椎葉晃充村長は12日、読売新聞の取材に「発生から13日で1週間となる。捜索態勢は縮小されたが、4人全員を早く見つけられるよう、全力で取り組んでいきたい」と語った。

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1475223 0 社会 2020/09/14 09:53:00 2020/09/14 10:43:47 2020/09/14 10:43:47 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/09/20200913-OYT1I50030-T.jpg?type=thumbnail

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