「横断歩道で手を上げれば、車は88%止まってくれる」…女子高生が歩行者役になり研究

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 横断歩道で歩行者が手を上げれば、車の9割近くは止まってくれる――。女子高校生の研究結果をきっかけに、長野県では秋の全国交通安全運動(21~30日)で、横断歩道でのマナー向上に取り組むことになった。女子高校生は手を上げることで、車の停止率が大きく上がることを調べ、県警にマナーアップ運動を提案した。18日、交通安全運動の出発式で、「歩行者もドライバーも、お互いに思いやりを」と呼びかけた。

 信号機のない横断歩道での車の停止率を調べたのは、長野市に住む県立高校3年生(17)。道路交通法は歩行者がいる場合、車に停止義務があると定めているが、自宅近くの横断歩道では、止まらない車が多いと感じていた。中学時代、夏休みの自由研究の題材に選んで以降、5年間、調査を続けてきた。

 自ら「歩行者役」となり、自宅近くの横断歩道で、渡る前に手を上げた時と、そうでない時の車の停止する割合を比較した。手を上げない時は35%(102台中36台)だったのに対し、手を上げた時は88%(50台中44台)だった。

 長野駅前では通行人に声を掛け、日頃の運転について尋ねた。停止しない理由として「歩行者に気付かないことがある」という回答もあり、手を上げて、ドライバーに横断の意思を伝えることが大事だと考えた。

 日本自動車連盟(JAF)の調査では、長野県は信号機のない横断歩道前での停止率が69%で全国1位。全国平均の17%を大きく上回る。それでも今年1~8月、横断歩道で1人が死亡、117人がけがをするなど、交通事故は後を絶たない。

 「手を上げるのは恥ずかしいけれど、停止率は格段に上がる。安全に渡るために、みんなでやってほしい」。研究成果とマナーアップ運動の提案を80ページの報告書にまとめた。今年4月、この取り組みを知ったJAF長野支部の担当者とともに県警本部を訪ねた。

 報告書を参考にマナーアップ運動に取り組む県警交通企画課の甲田隆穂理事官は「コロナ禍の中、マスクで歩行者の表情が見えず、道路を渡りたいという意思が分かりにくいこともある。手を上げることは事故防止に有効だ」と話す。

 女子高校生は県庁で行われた出発式で、「長野県の停止率は全国1位でも、100%ではない。運動を通じて、事故のない社会になってほしい」と訴えた。

昨年の横断歩道死亡229件…違反は22万件

 警察庁によると、横断歩道で歩行者がはねられた交通事故は昨年、1万4588件起きた。うち229件は死亡事故だった。2011年から減少傾向にあるものの、高水準で推移している。

 道路交通法は、横断歩道手前での減速や歩行者優先の義務を明記。歩行者がいる場合、車は一時停止して道を譲らなければならないなどと規定している。

 ただ、こうしたルールを守らないドライバーは多い。昨年、全国で実施された取り締まりで確認された違反件数は22万9395件、前年より5万件近く増えた。

無断転載・複製を禁じます
1487175 0 社会 2020/09/18 15:00:00 2020/09/18 17:09:39 2020/09/18 17:09:39

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

アクセスランキング

新着クーポン

NEW
参考画像
入泉料割引
NEW
参考画像
ご利用料金割引
NEW
参考画像
3080円2464円

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)
ページTOP
読売新聞社の運営するサイト
ヨミダス歴史館
ヨミドクター
発言小町
OTEKOMACHI
元気ニッポン!
未来貢献プロジェクト
The Japan News
YOMIURI BRAND STUDIO
美術展ナビ
教育ネットワーク
活字・文化プロジェクト
よみうり報知写真館
読売新聞社からのお知らせ