戦艦「大和」主砲製造した巨大旋盤、念願の展示へ…大和ミュージアムに兵庫の企業が寄付

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 大和ミュージアム(広島県呉市)は、兵庫県の企業から、旧日本海軍の戦艦「大和」の主砲などを製造する際に使われたとされるドイツ製の超大型旋盤の寄付を受ける。2005年のミュージアム開館前にも「展示の目玉」として寄付を熱望したが、当時はまだ現役で稼働していてかなわなかった。旋盤の“退役”に伴って寄付が実現し、同ミュージアムは「念願がかなった」と歓迎。来年以降、屋外での展示を目指す。(上羽宏幸)

戦艦大和の主砲製造に使われたとされるドイツ製の超大型旋盤(兵庫県播磨町で)=大和ミュージアム提供
戦艦大和の主砲製造に使われたとされるドイツ製の超大型旋盤(兵庫県播磨町で)=大和ミュージアム提供

 旋盤は金属塊や部品などを回転させながら削る機械。旧呉海軍工廠こうしょうで建造された大和は1940年8月に進水したが、旧日本海軍は38年にドイツ・ワグナー社製の巨大旋盤2台を輸入している。世界最大級の主砲(口径46センチ、長さ20・7メートル、重さ166トン)の製造には、同工廠に設置された巨大旋盤が使われたとされる。

 旋盤の幅、高さは各5メートル、重さが約210トンで、金属塊などを取り付けて回転させる部分「面盤」の直径も3・2メートルある。面盤が反対側に設置された刃物に向けて金属塊を押し込んで切削する仕組みで、大和を建造した当時は長身の工作物も加工できるように、面盤と刃物側との両端は長さ40メートルに及んだという。

 終戦後に1台は破壊されたが、もう1台は53年に神戸製鋼所に払い下げられ、その後、機械部品製造会社「きしろ」(兵庫県明石市)が買い取った。同社は2013年まで播磨工場(同県播磨町)で大型船舶用エンジンのクランクシャフト製造に使っていた。同工場の設備更新に伴い、19年11月に寄付の申し出があったという。

戦艦大和の10分の1模型。デッキには巨大な主砲が鎮座する(広島県呉市で)
戦艦大和の10分の1模型。デッキには巨大な主砲が鎮座する(広島県呉市で)

 呉市議会9月定例会では、旋盤の調査費や輸送費などに1億5000万円を盛り込んだ20年度一般会計補正予算が可決された。旋盤は、同工廠で金属などの強度試験に使われ、11年に広島大から譲り受けて保管中の大型試験機(長さ28メートル、幅4・4メートル、高さ5メートル、重さ420トン)とともに、来年にも屋外で展示することにしている。

 同ミュージアムは「大和や同工廠ゆかりのものが時の経過と共に失われている中、寄付をいただきありがたい。世界最大とうたわれた戦艦を建造する際に使われた機械もまた巨大だったことを実感してもらえれば」としている。

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1533512 0 社会 2020/10/09 12:50:00 2020/10/09 22:41:25 2020/10/09 22:41:25 戦艦大和の主砲製造に使われたとされるドイツ製の超大型旋盤(兵庫県播磨町で)=大和ミュージアム提供 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/10/20201007-OYT1I50031-T.jpg?type=thumbnail

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