ブラジル人集団感染、県が雇用企業へ啓発強化…「診察断られた」「差別怖くて話せない」の声も

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 群馬県内の新型コロナウイルス感染者は9月以降、東毛地域(伊勢崎市、太田市、大泉町など)の外国人の間で増加傾向がみられる。感染防止へ向けた情報発信は大きな課題となっており、県は保健所に派遣できる通訳を確保し、関係自治体と連携して外国人を雇用する企業へ啓発を強化している。差別や中傷への懸念も強く、対策は急務だ。

感染防止策について語る在東京ブラジル総領事のリマ・ネト氏(8日、群馬県大泉町朝日で)
感染防止策について語る在東京ブラジル総領事のリマ・ネト氏(8日、群馬県大泉町朝日で)

 山本知事の依頼に応じた在東京ブラジル総領事のジョアン・デ・メンドンサ・リマ・ネト氏は8日、大泉町を訪れ、周辺市町で生活するブラジル人コミュニティーのリーダーら16人と意見交換し、「皆さんに予防情報を発信してほしい」と協力を求めた。

 9月には太田市の自動車部品工場で、ブラジル人従業員を中心に30人のクラスター(感染集団)が発生。県によると、9月中旬からの2週間に県内で感染が判明した176人のうち75%は外国籍とみられる。

 外国人の感染拡大は、保健所の業務負担にもつながっている。日本語を話せない感染者が多く、行動歴の把握、濃厚接触者の特定、外出自粛要請などの調査や説明に「通常の3倍近い時間を要した」(県保健予防課)という。

 県は当初、保健所職員と通訳者、感染者の3者による通話で対応していたが、ポルトガル語などの通訳15人を確保し、要請に応じて派遣できる体制を整えた。

ブラジル人向けのスーパーに掲示された多言語で感染防止策を呼びかけるポスター(8日、群馬県大泉町坂田で)
ブラジル人向けのスーパーに掲示された多言語で感染防止策を呼びかけるポスター(8日、群馬県大泉町坂田で)

 関係市町と連携し、職員らが、外国人を雇用している企業や派遣会社を直接訪問し、啓発チラシを配布したり、ポスターを掲示してもらったりする活動にも力を入れている。

 外国人の間では、感染や差別に対する心配も広がっている。日系ブラジル人で大泉町内でイベント会社を経営する幕田マリオさん(47)によると、知人の外国人から「診察を断られた」「差別が怖くて感染したことを話せない」といった相談が多く寄せられている。幕田さんは「みんなが不安な状況。ブラジルの仲間にパーティーを控えたり、感染対策を取るように呼びかけたりと積極的に声をかけたい」と語る。

 県の「ぐんま外国人総合相談ワンストップセンター」(027・289・8275)には、9月だけで200件超の相談が寄せられ、6割ほどが感染に対する懸念や差別に関する内容だった。

 8日の意見交換に参加した大泉町の村山俊明町長は「彼らは私たちの隣人。協力してウイルスに立ち向かうため、『コロナを憎んで人を憎まず傷つけず』を広く呼びかけていく」と強調した。

無断転載・複製を禁じます
1533314 0 社会 2020/10/09 11:44:00 2020/10/09 11:44:00 2020/10/09 11:44:00 ブラジルスーパーに掲げたれた感染防止の啓発文(8日、大泉町坂田で)=中村俊平撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/10/20201009-OYT1I50028-T.jpg?type=thumbnail

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

アクセスランキング

新着クーポン

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)
ページTOP
読売新聞社の運営するサイト
ヨミダス歴史館
ヨミドクター
発言小町
OTEKOMACHI
元気ニッポン!
未来貢献プロジェクト
The Japan News
YOMIURI BRAND STUDIO
美術展ナビ
教育ネットワーク
活字・文化プロジェクト
よみうり報知写真館
読売新聞社からのお知らせ