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台風去った後も兆候なかったが、道路陥没し2人死亡…地中の「浸透水」が原因

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現在も通行止めが続く釜石市道「箱崎半島線」の陥没箇所(9日、岩手県釜石市で)
現在も通行止めが続く釜石市道「箱崎半島線」の陥没箇所(9日、岩手県釜石市で)

 昨年の台風19号で岩手県内では3人の犠牲者が出て、うち2人は車を運転中に道路の陥没箇所に転落して亡くなった。釜石市が公表した報告書によると、同市内の道路陥没は、大雨で地中の浸透水の量が限界に達したのが原因だった。台風19号上陸から12日で1年。雨が収まった後も目に見えないところで道路に異常が出る恐れがあり、専門家は警鐘を鳴らしている。

 釜石市鵜住居町を通る市道「箱崎半島線」が昨年10月13日に陥没した。車を走らせていた同市の高橋研一さん(当時68歳)が転落し、翌月死亡した。大河原正文・岩手大准教授(地盤工学)が現地調査などを行い、検証報告書をまとめ、市が9月に公表した。

 報告書によると、陥没は、路面下の盛り土が崩壊したことで発生。路面が長さ約20メートル、幅約12メートル崩れ、約2600立方メートルの土砂が流出した。大型ダンプにして約520台分に上る。

 崩壊の引き金となったのは、地中を流れる浸透水だ。釜石市では13日午前0~1時に55・5ミリの降水量を観測し、雨のピークを迎えた。この時はまだ、水が斜面の内部をゆっくり流れていたが、半日以上たち、雨がやんでいた13日夕から夜にかけて「排水能力を超える浸透水が流入し、盛り土の荷重バランスが崩れ、一気に崩壊した」と指摘した。

 市道を管理する市建設部の菊池拓也部長は「台風が去り、いったんホッとしていた。台風後も警戒が必要だと痛感した」と振り返る。

 市や委託業者は、雨のピークの前に1回、台風が過ぎ去った後も3回、路面の状態をパトロールしたが、異常は認められなかった。菊池部長は「せめて木が倒れていたり水があふれていたりといった兆候があれば、気付けたかもしれない」と対応の難しさを悔やむ。

 市道は東日本大震災後、内陸部に建設され、2017年に供用が始まった道路。盛り土の構造は「指針に準拠して設計されており問題ない」と結論づけ、施工不良などの人為的なミスはなかったとした。現在も通行止めが続き、復旧のめどはたっていない。

 台風19号では、田野畑村松前沢の村道でも陥没が起き、岩泉町の穂高正美さん(当時71歳)が運転する軽トラックごと転落して死亡した。釜石市の佐須地区や宮古市の重茂半島でも道路陥没が起きた。斎藤徳美・岩手大名誉教授(地域防災学)は「行政機関や住民は、雨が収まっても斜面や路面の崩壊が起きうると認識すべきだ」と指摘する。

 大河原准教授は報告書で、浸透水の排水方法や盛り土の補強といったハード面に加え、浸透水の状況を計測するシステムの構築などを提言した。市は今後、市道の災害復旧工事で対策を講じることが可能かどうか、国と協議する方針だ。

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1539571 0 社会 2020/10/11 20:38:00 2020/10/11 21:03:08 2020/10/11 21:03:08 現在も通行止めが続く釜石市道「箱崎半島線」の事故現場(9日、釜石市で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/10/20201011-OYT1I50035-T.jpg?type=thumbnail

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