真珠から九谷焼まで…「ご当地ガチャガチャ」、各地で人気沸騰

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 工芸品や装飾品をカプセルに入れた販売機「ご当地ガチャガチャ」が各地で人気を呼んでいる。手頃な価格で「伝統」「高級」という近寄りがたいイメージを払拭ふっしょくし、何が出てくるか分からない「出会い」も魅力。生産者らは「伝統工芸に興味を持ってもらうきっかけになれば」と期待する。(栢野ななせ)

親しみやすく

真珠ガチャを試してみる観光客(松山市で)
真珠ガチャを試してみる観光客(松山市で)

 松山市の道後温泉。土産物店に置かれた「真珠ガチャ」に500円玉2枚を入れ、レバーを回すと、カプセルから直径3ミリの真珠をあしらった指輪が出てきた。岡山市からの観光客(27)は「お得にホンモノが買えた」と喜んだ。

 日本一の真珠生産地・愛媛県宇和島市の加工・販売会社「宇和海真珠」が考案。加工時に余った真珠を利用し、品質を保ちながら価格を抑えた。出てくるのは指輪やネックレスなど5種類で、昨年10月、地元の道の駅に初めて設置した。

 たちまち土産品や自分への「ご褒美」として人気を集めた。設置場所は松山空港などの県内から、東京や姉妹都市の長野県千曲市など計13か所に広がり、1年で約7500個が売れた。併設のアンテナショップに置く愛媛県大阪事務所(大阪市)の鶴村幸弘所長は「1日150個売れた日もある。愛媛のPRにつながっている」と話す。

真珠ガチャで買える真珠アクセサリー
真珠ガチャで買える真珠アクセサリー

 真珠を取り巻く環境は厳しい。生活スタイルの変化で需要が低迷し、全国の生産量はこの30年で約7割減少。さらに昨年夏には愛媛を含めた主要産地で養殖に使うアコヤガイの稚貝が大量死し、コロナ禍も販売に影を落とす。

 宇和海真珠の松本哲哉専務(39)は「暗い話題が続く中、真珠ガチャが産地の活性化に一役買えばうれしい」と語る。

話題作りに

 石川県小松市で創業150年を超える九谷焼製造・販売の「九谷陶泉」は、観光地域づくり推進法人(DMO)の「こまつ観光物産ネットワーク」と九谷焼の「箸置きガチャ」(1回500円)を企画した。4年前に設置し始め、今ではJR金沢駅や小松空港などに加え、東京や神奈川にも進出して60か所となった。

ガチャに入っている九谷焼の箸置き(九谷陶泉提供)
ガチャに入っている九谷焼の箸置き(九谷陶泉提供)
ガチャに入っている博多人形(増屋提供)
ガチャに入っている博多人形(増屋提供)

 20~40歳代の作家約10人が、ツバキやナンテンといった定番の縁起物のほか、設置先に合わせて動物や飛行機などをあしらい、デザインは50種類を超える。これまでに6万個以上を出荷した。

 九谷焼は特に若い年代への知名度不足に悩んでいるといい、九谷陶泉の山元歩専務(47)は「話題作りとしては大成功。作家の製作技術の向上にもつながっている」と指摘する。

 このほか、長野県の老舗水引店は、花や動物をかたどった水引飾りのキーホルダーを1回300~500円のガチャで販売。福岡県で400年以上の歴史を持つ「博多人形」もガチャで登場し、福岡市の専門店「増屋」は1回500円で、3年間で2万個を売り上げた。

 20年前から7000種類以上のガチャを回し、その歴史や文化を研究するフリーライター尾松洋明さん(44)は「ガチャガチャには運試しの楽しさもある。若い世代や外国人観光客に人気があり、高級、伝統といった近寄りがたさを解消するツールとなっている」と分析する。

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1553393 0 社会 2020/10/16 15:23:00 2020/10/16 15:43:53 2020/10/16 15:43:53 真珠ガチャを楽しむ観光客(松山市の道後商店街で)=栢野ななせ撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/10/20201016-OYT1I50044-T.jpg?type=thumbnail

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