コロナに地震、大雨にクマ出没…長野・上高地の観光客7割減
完了しました
長野県松本市の上高地で15日、閉山式が行われ、今年の観光シーズンが終わった。「Go To トラベル」の効果もあって秋口から客足は戻りつつあるが、4~10月の観光客数は前年同期比約7割減の37万7300人に落ち込んだ。

例年約400人が参加する閉山式は、新型コロナウイルスの感染防止のため、約70人に縮小して行われた。上高地観光旅館組合の小林清二組合長(66)は「来年は万全の状態でお客様をお迎えしたい」と語った。

国内を代表する山岳観光地は、新型コロナのほか、北アルプスを震源とした地震の続発や大雨、クマの出没にも悩まされた。
緊急事態宣言の発令で、宿泊施設や土産店などは4月18日から約1か月間、一斉に休業。解除後の5月中旬から徐々に営業を再開したが、7月上旬の大雨で上高地につながる国道158号が土砂でふさがれるなどの被害が出た。クマに襲われ、けがを負ったキャンプ場の利用客もいた。
河童橋近くの上高地西糸屋山荘は、約3か月遅らせて7月18日に営業を開始したが、お盆や9月の4連休を除き、宿泊客数は例年の約6割減だった。宿泊客の2~3割を占める登山客も今年は10分の1ほどだったという。
秋口になってようやく客足が戻りつつあるが、奥原宰代表(64)は「今年は100日の商売だったが、商売ができてよかった。冬の間に新型コロナが落ち着いてくれれば」と願っていた。