後ろめたいから?7割が登山届出さず…「お忍び」で低山登り、遭難相次ぐ

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 今夏、富士山(3776メートル)や南アルプス山系など高山での遭難が減った反面、低山を無届けで登って遭難するケースが増えたことが、山梨県警への取材でわかった。新型コロナウイルスの影響で外出自粛が求められ、「お忍び」で手頃な低山を楽しもうという人が多かったためとみられる。先月も遭難者は昨年並みに増えており、紅葉シーズンを迎える中、県警は注意を呼びかけている。(小山海風、鈴木経史)

85%が首都圏から

首都圏に近い県東部の山中。休日の低山は多くの登山客でにぎわう
首都圏に近い県東部の山中。休日の低山は多くの登山客でにぎわう

 県警によると、今年7~8月の山岳遭難は20件で、昨年の48件から激減した。富士山は昨年の3件に対し0件、国内標高2位の北岳(3193メートル)などがある南アルプス山系は26件減って2件だった。コロナ対策のため、富士山や南アルプス山系で登山道の閉鎖や山小屋の休業などが相次いだためとみられる。

 一方、標高1000メートル級が連なり首都圏からも近い県東部の大菩薩・道志山系は9件で、昨年より5件増えた。県内での遭難は例年、富士山と南アルプス山系が半数以上を占めるが、今年は9割が日帰り登山中で、そのほとんどは低山で発生した。

 また、4~9月に遭難した45人中35人が県外からの登山客で、そのうち首都圏の登山客が約85%に上る。

アプリからも提出可

 登山届の提出割合が低いのも今年の特徴だ。

 昨年(4~9月)は遭難者の45・8%が登山届を提出していたが、今年(同)は26・8%にとどまる。特に8月は17件の遭難が起きたが、提出があったのは2件だけだった。

 登山届はルートや日程、氏名、住所、緊急連絡先などを記入するもので、救助や安否確認で重要な手掛かりとなる。登山口に設置された専用ポストのほか、スマホの無料アプリ「コンパス」でも提出できる。

 県警幹部は「外出自粛が求められる中、登山をすることに後ろめたさを感じ、登山届を出しにくい心理が働くのかもしれない」と推測する。

Go To影響か

 だが、10月の遭難は9月から11件増えて19件となり、昨年10月と並んだ。10月1日から政府の観光支援事業「Go To トラベル」に東京発着の旅行が追加されたことが背景にあるとみられる。

 甲州市の藤尾山(1606メートル)では都内の男性(71)が滑落して死亡するなど、10月は死者2人、重傷者4人となった。

 紅葉が見頃を迎えた今月、16日現在の遭難は19件で、昨年同期比で14件増加した。県警の担当者は「計画をしっかり練って自分の力量にあった山を選んでほしい」と話している。

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1637208 0 社会 2020/11/19 09:19:00 2020/11/19 09:47:40 2020/11/19 09:47:40 八重山を下る登山客(11月5日午前11時24分、上野原市で)=市川憲司撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/11/20201118-OYT1I50019-T.jpg?type=thumbnail

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