「爆速メリーゴーランド」「瞑想大観覧車」ぎりぎりのスリルが人気の遊園地

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 新潟県阿賀野市久保の遊園地「サントピアワールド」が、新型コロナウイルスの影響で「ぎりぎりの経営」が続いているとし、予算を極力かけずに既存アトラクションにユニークなひと工夫を加え、来園者を楽しませている。その名も「ぎりぎりアトラクション!」。同園は「いつ倒産するかと、ぎりぎりの精神状態と低予算で思いついた企画。多くの人に笑顔を届けたい」と、来園を呼びかけている。

 白馬にまたがる女性客に吹き付ける強烈な風――。

「爆速メリーゴーランド」を楽しむ来園者。扇風機の強烈な風が吹き付ける(8日)
「爆速メリーゴーランド」を楽しむ来園者。扇風機の強烈な風が吹き付ける(8日)

 10月3日に第1弾として始まったのは「爆速メリーゴーランド」。職員が「メリーゴーランドを高速で回転させ、ぎりぎりのスリルを感じてもらおう」と発案した。だが安全上、本当に高速回転させることはできないため、直径1メートルの巨大扇風機を設置し、強風を利用者に吹き付けることで高速回転を体感してもらう仕組みだ。わずか約4万円で実現した。

 見附市の保育士(20)は「扇風機の風圧がすごい。普段よりちょっと速く感じた」と笑顔で話した。

全ての窓を暗幕で覆った「瞑想大観覧車」
全ての窓を暗幕で覆った「瞑想大観覧車」

 市のシンボル的存在である高さ50メートルの観覧車を使った「瞑想めいそう大観覧車」は、ゴンドラ1箱の窓を全て暗幕で覆ったアトラクションだ。本来は景色が売りの観覧車だが、約10分間、真っ暗な状態で空中を一回転し、極限のスリルを味わうことができる。体験した新潟市の男性会社員(36)は「真っ暗でいつ終わるのかわからない怖さがあった」と苦笑した。

     ◇

 同園は1976年に開園。2000年には売上高10億円を計上したが、少子化などで業績が悪化し、11年に民事再生法の適用を申請した。その後、経営体制を刷新し、若者層をターゲットにした戦略で業績は回復。昨年は約11万人を集客した。

 だが今年は新型コロナの影響で、年間売上高の4割を稼ぎ出す4、5月にほとんど営業できず、大きな痛手に。クラウドファンディングなどで約5500万円の支援を受け、営業を続けているが、来園者数は回復せず、夏休み期間を除いて土日祝日のみの営業としている。

「大当たり」の前で止まればグッズがもらえる「ルーレットエレファント」
「大当たり」の前で止まればグッズがもらえる「ルーレットエレファント」

 こうした危機的な状況を逆に利用したのが「ぎりぎりアトラクション!」だ。「爆速メリーゴーランド」「瞑想大観覧車」のほか、旋回するゾウの乗り物が「大当たり」と書かれた旗の前に止まるとグッズをもらえる「ルーレットエレファント」、カレーのにおいで満たされたお化け屋敷で「恐怖が勝つか、食欲が勝つか」が試される「カレーなるモンスターの館」、空港に見立てたレストランに「阿賀野市上空をぎりぎりで飛んでいます。視界は良好ではないが、きっと青空は見えるはず」と自虐的なアナウンスが流れる「エアエアポート」など、いずれもぎりぎりの低予算で実現した五つのアトラクションが来園者を楽しませている。

 SNSを中心に評判が広がり、同園のホームページにアクセスが殺到。サーバーが4回ダウンするほどの注目を集め、10月の売り上げは、平年比の3割増と数字にも表れている。

 高橋修園長(63)は「いただいた支援に感謝し、これまでにない明るく楽しいアトラクションを届けようとぎりぎりまで知恵を絞って企画した。多くの人に楽しんでもらいたい」と話している。

 今月末から冬季休業に入るため、営業は21、22、23、28、29の5日間を残すのみだったが、好評を受けて19日も特別開園する。問い合わせは、同園(0250・68・3450)へ。

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1637130 0 社会 2020/11/19 07:28:00 2020/11/19 07:28:00 2020/11/19 07:28:00 「爆速メリーゴーランド」を楽しむ来園者。(8日午後1時8分、阿賀野市久保の「サントピアワールド」で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/11/20201118-OYT1I50087-T.jpg?type=thumbnail

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