川辺川ダム建設要請へ…熊本知事、7月豪雨受け転換

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蒲島知事がダム建設を容認した川辺川(7月30日、熊本県相良村で、読売機から)=大原一郎撮影
蒲島知事がダム建設を容認した川辺川(7月30日、熊本県相良村で、読売機から)=大原一郎撮影

 7月の九州豪雨で氾濫した熊本県・球磨川の治水対策について、蒲島郁夫知事は19日、最大の支流・川辺川に、大雨時だけ水をためる「流水型ダム(穴あきダム)」建設を国に求めると表明した。知事が2008年に白紙撤回を表明し、民主党政権が翌年に建設を中止した現行のダム計画は廃止を要請する。知事は20日、赤羽国土交通相に県の方針を伝える。

 知事は19日の県議会全員協議会で、ダム容認の理由を「被害防止の確実性が担保されるダムを選択肢から外すことはできない」と説明。豪雨後に実施した計30回の意見聴取会を基に、「流域住民は命と環境の両方を守ってほしいと願っている。流水型ダムは民意にこたえる唯一の選択肢だ」と述べた。

 九州豪雨では、球磨川流域4市町村で60人が犠牲になり、うち球磨川や支流の氾濫による死者は50人に上るとみられる。

 治水専用の流水型ダムを建設するには、治水と利水を目的とした現行のダム計画を廃止し、河川法に基づく新計画を策定する必要がある。県は、環境影響評価(環境アセスメント)の実施も国に求める。

 川辺川ダムは、旧建設省が1966年に建設を発表。現行の計画は、平時から水をためる「貯留型」で、総貯水量は九州最大級の1億3300万立方メートル。総事業費3300億~3400億円のうち、用地買収などで既に2000億円以上が投じられた。

 蒲島知事は2008年、「民意はダムによらない治水を追求している」と計画の白紙撤回を表明。「ダムによらない治水」を協議した結果、国と県が昨年6月に示した治水10案は、工期が最長200年、事業費も最大1兆2000億円となり、結論は出なかった。

 ◆流水型ダム=堤体下部にトンネル状の穴が開き、平時は水をためずに川の水を流す。大雨時は流下量が制限されるため、ダム湖に水がたまり、洪水調整機能を発揮する。魚類の往来ができるなど、環境への負荷が小さいとされる。国土交通省によると、全国570基の治水ダムのうち、流水型は益田川(島根県)や西之谷(鹿児島県)など5基あり、ほかに9基の建設が進んでいる。

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1640001 0 社会 2020/11/19 22:52:00 2020/11/19 23:26:21 2020/11/19 23:26:21 九州豪雨。川辺川ダムの建設が計画されていた球磨川の支流川辺川。熊本県相良村で、本社機から。航空写真。2020年7月30日撮影。 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/11/20201119-OYT1I50059-T.jpg?type=thumbnail

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