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養殖以外は国内にいないはずのチョウザメ100匹超捕獲、養殖業者「逃げ出していない」

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 宮崎県内の大淀川水系で今年、国内には分布していないはずのチョウザメが、ウナギ漁などの際に100匹以上捕獲された。養殖場から逃げ出したとの見方もあるが原因は不明だ。10月以降は急減しており、餌を捕れずに死滅した可能性もあるが、ウナギの漁期が終わったため、捕獲が減ったとの見方もある。定着すれば生態系への影響も懸念されるだけに、関係者は注視している。(山崎祥太)

チョウザメが釣れた大淀川の地点を示す山元さん
チョウザメが釣れた大淀川の地点を示す山元さん

 大淀川は鹿児島県曽於そお市から都城市、宮崎市などを経て日向灘に流れ込む全長約100キロの1級河川。宮崎県水産政策課によると、チョウザメは7月頃から宮崎市や都城市などで、ウナギ漁の釣り針などにかかるようになった。

 県が、ウナギ漁師らが所属する県内水面漁連から聞き取ったところ、7月中旬から9月上旬にかけて、偶然針にかかるなどして約90匹が捕獲された。その後、9月末にかけ、さらに約20匹が捕れた。大きな個体は1メートルに達していた。

山元さんが釣り上げたチョウザメ(山元さん提供)
山元さんが釣り上げたチョウザメ(山元さん提供)

 宮崎市役所近くの大淀川で何度も釣り上げた同市のウナギ漁師山元隆之さん(48)は「これだけの数が確認されるのはおかしい。豪雨などで養殖場から逃げ出したのではないか」と推測する。

 県内では1983年、県水産試験場がチョウザメの養殖試験を開始し、2004年に完全養殖に成功した。卵は高級食材「キャビア」として需要が見込まれ、現在は小林市や椎葉村など県内8市村の18業者が計5万匹を養殖している。県は「日本一の産地」とPRしており、県内産キャビアは米国や中国などに輸出されている。

 県が大淀川水系で捕獲されたチョウザメを調べたところ、ロシアに生息するシベリアチョウザメという種類だったことがわかった。養殖されているチョウザメの半数はこの種という。

 県は、大淀川沿いの養殖場から逃げ出した可能性があるとみて調査したが、県内の全業者が「逃げ出していない」と答えた。チョウザメがいた理由は特定できていない。

 一方、10月の捕獲数は1匹で、ペースは急減している。県がチョウザメの胃の内容物を調べたところ、カゲロウなどの水生昆虫を食べていたことがわかった。チョウザメは素早く動く魚を捕るのは苦手といい、県水産政策課の谷口もとき主幹は「水生昆虫やカニなどは大淀川に多くは生息していない。餌が捕れずに死滅する可能性が高く、繁殖の恐れは低い」と言う。

 ただ、県によると、ウナギ漁が10月1日から禁漁期間に入ったため、チョウザメが捕獲される機会が減ったことが原因との見方も残る。シベリアチョウザメは寒さに強く、餌さえ捕れれば冬を越せる可能性もある。

 大淀川の生態系に詳しい生物学習施設「大淀川学習館」(宮崎市)の日高謙次・主幹兼業務係長(41)によると、チョウザメの餌は、絶滅危惧種の魚アリアケギバチと重なるといい、「このまま宮崎の川に居着いてしまえば、生態系への影響も懸念される」と語る。県は漁協にチョウザメに関する情報提供などを要請している。

 ◆チョウザメ=尾びれがサメに似ているため、その名が付いたといわれ、主に淡水域に生息する。体長1メートルを超えることも珍しくなく、ヨーロッパやロシア、中国などに分布するが、日本の川に野生のチョウザメはいないとされる。

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1648822 0 社会 2020/11/24 14:52:00 2020/11/24 16:15:51 2020/11/24 16:15:51 チョウザメが釣れた場所を示す山元さん https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/11/20201124-OYT1I50034-T.jpg?type=thumbnail

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