GoTo除外、札幌・大阪の週末閑散…観光地「かなり痛手」
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政府の観光支援策「Go To トラベル」事業を巡り、感染が拡大している札幌、大阪両市への旅行が補助対象から一時除外されて初の週末となった28日、両市内の観光名所は行楽客の姿が少なく、静かな朝を迎えた。観光地のホテルではキャンセルも相次ぎ、不安の声も聞かれた。

札幌市豊平区のさっぽろ羊ヶ丘展望台。クラーク博士像の前では、写真を撮る人たちの姿はまばらだった。施設によると、10月には例年の約6割まで客足が戻り、今月上旬の週末には1日1500人以上が訪れていたが、ここ数日は1日200人ほどに低迷。普段はレンタカーが並ぶ施設内の駐車場も、空きスペースが目立つ。施設の田中義信支配人は「事業から除外されたことは、かなりの痛手だ」と肩を落とす。
事業を利用し、夫婦で観光旅行に訪れた埼玉県越谷市の男性(31)は「不安があったが、予約してしまっていたので来ることにした。帰宅後は旅行も自粛したい」と話した。
紅葉シーズンを迎えている大阪市中央区の大阪城公園でも、ジョギングや散歩をする地元の人が目立ち、観光客の姿はまばら。長女(22)と2人で訪れた群馬県高崎市のパート女性(52)は「今年、働き始めた長女がプレゼントしてくれた旅行なのでキャンセルせずに来ました。繁華街のミナミも散策したかったけど、人が多く集まる場所なので控えようと思う」と話した。
テーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」近くのホテルではこれまでの週末は、ほぼ満室が続いていたが、28日の予約率は約5割に落ち込んだ。「Go To トラベル」事業の補助対象外となる12月2~15日の到着分はキャンセルが相次いでおり、担当者は「今後の感染拡大の収束が見通せず、不安だ」と吐露した。