「鬼滅ブームを秩父地域の観光に生かすことはできないか」――。4日の埼玉県議会で、人気漫画「鬼滅の刃」を生かした観光振興を巡って議論が交わされた。
鬼滅の刃は同日に発売された漫画の最終巻は、買い求める人で店先に行列ができるほどの人気だ。公開中のアニメ映画も興行収入275億円を突破しており、県議もブームに注目したようだ。
県議会会派・無所属県民会議の井上航氏(41)はこの日の一般質問で、主人公の竈門炭治郎の出身地が秩父市と東京都、山梨県の3都県にまたがる「雲取山」との設定であることから、「雲取山を生かした観光振興を」と訴えた。
また、秩父市の「竈三柱神社」にも言及。炭治郎が入隊する、鬼と戦う「鬼殺隊」で、最上位の実力を持つ9人が「柱」と呼ばれているとし、「竈と柱が入った竈三柱神社が注目を集めるかもしれない」と期待感を示した。さらに「主人公の敵の鬼にも熱心なファンがいる」とし、嵐山町の「鬼鎮神社」も紹介した。
これに対し、県の加藤和男産業労働部長は「秩父の豊かな自然や行事など多様な観光スポットを情報発信することで観光振興につなげたい」と応じた。