駆除したイノシシやシカ、動物園の餌に…大量の廃棄肉活用・野生取り戻す

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 農作物を荒らす害獣として駆除された野生のイノシシやシカを餌として飼育動物に与える取り組みが、全国の動物園などで広がっている。獣害問題の啓発につなげる一方、肉食動物に狩りの感覚を呼び覚まし、閉鎖された環境でのストレス緩和になると期待されている。(松田智之、大重真弓)

 東京都の羽村市動物公園では8月、アンデスコンドルに皮や骨がついたままのイノシシ肉を与えた。オスの「ルドルフ」(推定33歳)は肉を見つけるとすぐに駆け寄り、夢中になってついばんだ。普段、食べやすく加工した馬肉の切り身などのエサをあっという間にたいらげるが、皮と骨付きの肉は食べ尽くすまでに時間がかかった。

 園の獣医師、中鉢友紀乃さん(28)は「野生に近い行動を引き出すことができたのではないか」と語った。食べる時間が長くなれば、動物のストレス緩和にもつながるという。

 このような取り組みは、欧米の動物園などで動物福祉の一環として広く行われている。日本では、飼育員や研究者らでつくる団体「ワイルドミートズー」(福岡市)が、2017年から獣害問題と結びつけて啓発してきた。

 環境省の調査(速報値)では、昨年度に駆除されたシカやイノシシは計約124万頭。「ジビエ」として人間が食べるのは1割に満たず、残りは処分される。

 同団体は廃棄される獣肉に着目した。鉛中毒を防ぐため、銃ではなくワナで捕らえた害獣に限定。加工業者と連携し、頭部や内臓を取り除いたり、冷凍や低温加熱で処理したりして衛生管理をしている。

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