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新幹線が普通電車の「露払い」…JR東、落ち葉対策で連携プレー

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 JR奥羽線の福島、山形県境で先月、線路上の落ち葉によって車輪が空転し、電車が坂を上れず立ち往生するトラブルが相次いだ。JR東日本は、駆動力が大きい山形新幹線を先に走らせて落ち葉を飛ばし、直後に普通電車を通す対策でしのぐが、電車の遅れは避けられない。トンネル建設などで抜本的に解決するには膨大な費用がかかるため、ほかに打つ手がない状況だ。(石沢達洋)

庭坂駅に先に停車していた普通電車を追い越し、米沢方面へ出発する山形新幹線
庭坂駅に先に停車していた普通電車を追い越し、米沢方面へ出発する山形新幹線
後続の山形新幹線の通過を待ち、約45分遅れで庭坂駅を出発した下り普通電車
後続の山形新幹線の通過を待ち、約45分遅れで庭坂駅を出発した下り普通電車

 立ち往生が起きたのは11月8、22日。22日は午前7時40分頃、福島市大笹生で、福島発米沢行き下り普通電車が約2時間止まった。庭坂駅に引き返して乗客を降ろし、後続の山形新幹線が約3時間遅れで発車した。この日の普通電車は全面運休となり、約1000人に影響した。

 JR東によると、福島から米沢方面に向かう同線の下り線は、県境の「板谷峠」の先の板谷駅(米沢市)や峠駅(同)付近で上り傾斜がきつく、最も急なところで1000メートルあたり38メートルの高低差がある。

 山間部のため落ち葉の量も多く、線路上ですりつぶされた葉っぱの油分や、朝露の水分が車輪の空転を誘発する。「峠の力餅」で知られる峠駅前の「峠の茶屋」によると、今年は例年より2週間ほど早い11月上旬から落葉が始まり、影響が長期化しているとみられる。

 そのため、JR東は11月23日から、新幹線と普通電車の「連携プレー」による運行を始めた。2両編成でモーター1個の普通電車に比べ、新幹線は7両編成でモーター6個。パワーのある新幹線が落ち葉を吹き飛ばして立ち往生はなくなったが、問題も生じている。

 庭坂―米沢間の下り普通電車は1日6本。「連携プレー」のため、4~5本が新幹線の通過待ちをしており、庭坂駅の発車が定刻より20~50分程度遅れる。それでも同社の担当者は「終日運転できないよりはましだ」と話す。

 そもそも、峠駅など県境付近の4駅はかつて、急勾配を折り返して進むスイッチバックが設置されていたほど険しい場所。スイッチバックは、山形新幹線開業に合わせ廃止されたが、国内有数の難所であることに変わりはない。

 山形県によると、過去5年間に発生した雨や雪など気象現象による山形新幹線の遅延・運休は、約4割が福島―米沢間に集中。近年相次ぐ大雨災害では、全国で線路流失などの被害が出ており、同区間も災害リスクを軽減するには、根本的な対策が必要だ。

 JR東は2017年、同区間にトンネル(約23キロ)を敷設する案を同県に提示。事業費は約1500億円で県にも負担を求める構想だったが、費用対効果の観点から、事業着手の見通しは立っていない。

 今回の対策は13日で終わるが、冬場、積雪の影響で再び同様の措置を迫られる可能性があるという。同社は「ご迷惑をおかけするが、あの手この手で対応していきたい」としている。

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1698234 0 社会 2020/12/14 00:24:00 2020/12/14 05:24:57 2020/12/14 05:24:57 庭坂駅に先に停車していた普通電車(中央奥)を追い越して、米沢方面に向かって出発する山形新幹線(12月9日午前8時4分、福島市町庭坂で)=石沢達洋撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/12/20201212-OYT1I50079-T.jpg?type=thumbnail

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