「あの男の人が何か投げた」駅ホームの高校生が警官に伝え、草むらを捜索すると…
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特殊詐欺事件の犯人逮捕に決定的な目撃情報を提供したことで、静岡の県立高2年の男子生徒(16)と別の男子生徒(17)に18日、静岡県警熱海署の本間章浩署長から感謝状が贈られた。
2人は11月16日午後6時半頃、下校途中にJR伊豆多賀駅ホームのベンチで電車を待っていた。約30メートル離れたベンチに男がいた。ホームに近づく制服姿の警察官の姿が見えると、男は靴の中から何かを取り出し、背後の草むらに投げた。その不審な男に目を向ける警察官に、2人は「あの男の人が何か投げましたよ」と伝えた。
署員が捜索するとキャッシュカードが見つかった。カードは80歳代の女性がだまし取られたもので、男は詐欺容疑で緊急逮捕された。早期の逮捕で男が現金自動預け払い機(ATM)から引き出した現金50万円も無事だった。本間署長は「勇気を出して絶好のタイミングで話してくれた」と2人をたたえた。
男子生徒(16)は「お金を取り戻すことができてよかった」、別の男子生徒(17)は「犯人が逃げていたら被害が増えていたかもしれない」と語った。
被害女性はこの日午後5時頃、「キャッシュカードを取り換える必要がある」などと電話で告げられ、現れた農協職員と称する男にカードをだまし取られた。女性から経緯を聞いた隣人が、あいら伊豆農協下多賀支店に連絡。支店は警察への通報を促し、ATMで現金を引き出した男の画像を提供した。感謝状は支店にも贈られた。