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コロナワクチン開発公表後、不審アクセス急増…日本のトップメーカーに海外から

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 新型コロナウイルスのワクチン開発を進める製薬会社「KMバイオロジクス」(熊本市)のコンピューターシステムに対する不審なアクセスが、開発の公表後に急増していたことが同社への取材でわかった。同社は対応を強化しており、情報の流出は確認されていない。世界の企業がワクチン開発にしのぎを削る中で、最先端の情報が狙われていることを改めて示した。(高田佳明、前田敏宏)

1分間に数百件

 同社はワクチンのトップメーカーの一つで、感染力をなくしたウイルスを投与して免疫をつける「不活化ワクチン」を開発している。

 同社によると、2020年5月22日に開発を発表した後、7月頃からシステムに対する不審なアクセスが急増。サイバー攻撃からシステムを守るファイアウォール(防護壁)を突破しようとする通信が、1分間に数百件確認されることもあった。全体的に公表前に比べて倍増し、発信元のほとんどは海外だった。

 ウイルスを仕込んだメールを送信する「標的型メール攻撃」も確認された。取引先からKM社のメール情報が窃取され、同社社員のアドレスに攻撃メールが送られた可能性があるという。

 不審なアクセスについて同社は「サイバー攻撃の予兆とも捉えられる。コロナワクチンに関する企業情報を狙った可能性がある」とみる。そのうえで「外部から侵入されたり、情報が流出したりする被害は一切ない」とし、適切に防御していると強調した。

 同社はさらに対応を強化するため、昨年秋、AI(人工知能)で不審なメールを選別するシステムを導入。近くネットワークを24時間体制で集中監視する「SOCソック」と呼ばれる組織の本格運用を始め、対応する専門家を増やす。

世界で攻撃

 世界ではコロナワクチンを狙った攻撃が相次いでいる。欧州医薬品庁(EMA)は先月、同庁が審査している米製薬大手ファイザーと独製薬企業ビオンテックのワクチン情報が不正接続される被害を受けた。

 日本では厚生労働省が昨年8月、企業や研究機関に文書で注意喚起をし、〈1〉不正侵入を検知する監視体制の強化〈2〉ウイルス対策ソフトの最新化――などの対策を求めた。

 サイバーセキュリティーに詳しい慶応大の土屋大洋・総合政策学部長は「システムに侵入しようとする動きは、本格的な攻撃の準備段階だ。攻撃者は執拗しつように攻めてくるが、社会全体で防御を固めなくてはならない」と語る。

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