成人式、祝いたくても中止・延期「一生に一度の記念日なのに」
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新型コロナウイルスの感染拡大で2度目の緊急事態宣言が発令される見通しとなり、成人式の中止や延期の動きが広がっている。開催に踏み切る自治体では、車中からの参加や、会場を屋外に変更するなど、感染防止に知恵を絞る。
ネット配信に切り替え
「一生に一度の記念の日になるはずだったのに、残念だ」。東京都千代田区の担当者は話す。
千代田区では、11日の成人の日に、区内のホテルを会場に式を開く予定で準備を進めていた。しかし、東京をはじめ首都圏1都3県に緊急事態宣言が発令されることになり、急きょ、会場に集まって大人数で行う式の中止を決定。6日午後、新成人約400人に中止を知らせるはがきを発送した。
東京23区では、千代田区をはじめ中央区や大田区など計16区が会場に集まって開く式を取りやめ、インターネット配信などに切り替える。2年前に振り袖を購入し、式を楽しみに髪を伸ばすなどしてきた板橋区の女性(20)は「卒業以来会えていない高校の同級生に再会して、一緒に振り袖の写真を撮りたかった」と落胆する。
例年約1万人の新成人が参加するさいたま市も5日、さいたまスーパーアリーナ(中央区)で予定していた式をオンラインで開催すると発表。新成人代表の大学2年、男性(20)は「友人や親、親族に大舞台に立つ自分の姿を会場で見てもらいたかった」と残念がる。
緊急事態宣言の対象とならない自治体も、開催をためらう。水戸市は6日、屋外競技場で10日に予定していた成人式の延期を決めた。市教育委員会の担当者は「帰省して友人と会うことなどにより、感染が広がることへの懸念もあった」と説明する。