北海道、ため息の「厳しい冬」…空港・観光船・動物園は人影まばら
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新型コロナウイルスの感染拡大で1都3県に緊急事態宣言が再発令され、9日、初めての週末を迎えた。鈴木知事が1都3県との不要不急の往来自粛を要請したこともあり、新千歳空港や観光地ににぎわいはなかった。
新千歳

北海道の空の玄関口・新千歳空港は、出発・到着ロビーともに乗客の姿はまばらで、静かな週末を迎えた。
都内に住む息子夫婦の産前産後を約1か月半にわたって支え、帰ってきた札幌市北区の看護師女性(62)は約2週間、自宅待機するという。検査キットで新型コロナの抗原検査を行い、感染が確認されなければ職場に復帰する。女性は「しっかり対策をして、周囲の人を不安にさせないようにしたい」と話した。
札幌市の自宅から単身赴任先の都内に戻る会社員男性(58)は「テレワークだけで仕事を済ますことができないので戻るしかない」と複雑な表情で語った。
大阪など関西3府県も政府に緊急事態宣言の再発令を要請した。空港の土産品店「センカ新千歳空港店」店長の佐藤将英さん(35)は「関西も対象になれば、売り上げがさらに落ち込むかもしれない。在庫を減らすなどして対応していきたい」と話した。
札幌
全国に先行して、11月下旬から「Go To トラベル」事業が停止している札幌市。昨年は約200万人が訪れた「さっぽろ雪まつり」が、今年は初めて事実上中止となり、例年であれば準備が進む大通公園は9日、人影がまばらだった。
例年、雪まつり開催中は満室が続く「札幌ビューホテル大通公園」も、2月まで予約が非常に少ないという。担当者は「想像していたように厳しい冬になった。早く良くなってほしいと願うしかない」と語った。
ガリンコ号

オホーツク海に面した紋別市で流氷観光砕氷船が新造され、9日に運航が始まった。まだ流氷が到来していないこともあり、初便の乗客は25人ほどだった。
初運航されたのは、3代目となる「ガリンコ号3
運航会社の菅原雅志総務部長兼営業課長(49)は「緊急事態宣言とともに『Go To トラベル』の停止も延長され、状況が変わった。予約は伸びないかもしれない」とため息をついた。
旭山動物園
昨年11月11日から冬季営業が始まり、閉園時間が午後3時半に繰り上がっている旭川市旭山動物園では、9日の来園者数が304人で、前年同日の約2400人から9割近く落ち込んだ。例年であれば中国や韓国などからのインバウンド(訪日外国人客)が多い時期だが、今年はおらず、観光客は全般的に少ない。
園内をライトアップし、閉園時間を午後8時半まで延長する恒例の「雪あかりの動物園」を2月3~7日に予定しており、新型コロナの感染状況をみて開催の可否を検討する。同園は「屋外で楽しめる施設なので、特に地元の人たちに気分転換に来てほしい」と呼びかけている。