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立体映像が被爆体験を伝える…AI語り部、長崎で開発進む

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 戦争の惨禍をどうリアルに後世に伝えるか関係者が知恵を絞っている。戦時を生きた人がいなくなる時が近づき、あの日の記憶をつなぎとめようという思いは強い。(牟田口洸介)

自身の立体映像の写真を前に語る山脇さん(長崎市の自宅で)=坂口祐治撮影
自身の立体映像の写真を前に語る山脇さん(長崎市の自宅で)=坂口祐治撮影

 実在する被爆者の立体映像がスクリーンに映され、「ガラスが散乱し、屋根が飛んで空が見えました」と、被爆直後の自宅や街の様子を伝える。それを聞いた人がスクリーンに向かって「なぜ核兵器はなくならないのですか」と尋ねると、「国同士の不信感が核兵器を保有させる原因だと思います」と答えが返ってくる――。

 長崎市の国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館は、そんな人工知能(AI)の語り部の開発を進めている。被爆者の立体映像と音声認識技術、AIを組み合わせることで、被爆体験を語り、質疑応答もできるという新たな試みだ。

 同館の黒川智夫館長(66)が2018年、米国の博物館にナチス・ドイツによるユダヤ人虐殺の生存者が立体映像で体験を伝える装置があることを知り、発案。長崎市の被爆者・山脇佳朗さん(87)に協力を依頼し、19年12月に開発をスタートさせた。

 AIが利用者の質問内容を単語などから分析し、様々な質問に回答する被爆者の映像の中から、適切な答えを選び出す仕組み。山脇さんは原爆で破壊された街の様子や多数の犠牲者を見た時の感情、核兵器廃絶への思いなど、計10時間で50問の回答を収録し、試作機が昨年2月に完成した。

 実用化には1000~2000問の回答を収録する必要がある。祈念館は2、3年後の実用化を目指していたが、コロナ禍で高齢の被爆者の撮影は難しくなり、めどは立たない。制作費も試作機で通常の被爆証言動画の約10倍の約300万円かかるなど課題は多い。

 それでも、山脇さんは「被爆者がいない時代に、そこにいるように伝えることで、核兵器の非人道性を実感してもらえる」と期待。黒川館長は「高齢化で被爆者が体験を語ることが難しくなる中、コロナ後の日常にも対応できる非接触型の継承の形として実用化したい」と話している。

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1774736 0 社会 2021/01/16 14:34:00 2021/01/16 14:34:00 2021/01/16 14:34:00 AI化について、自身の立体映像の写真を前に語る山脇さん(9月28日、長崎市内の自宅で)=坂口祐治撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/01/20210112-OYT1I50030-T.jpg?type=thumbnail

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