記録的大雪の福井、コンビニ3日ぶり入荷…除雪進まず品薄続く
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福井県内を襲った記録的な大雪は、市民生活に大きな爪痕を残した。コンビニやスーパーでは、12日も生鮮食品などの品薄が続き、多くの学校は臨時休校。生活道路の除雪は遅れている。一方、大規模な立ち往生が発生した北陸自動車道の通行止めがこの日朝に解除されたため、一部で物流が回復し、日常を取り戻し始めた。
スーパー、コンビニ

北陸道での立ち往生は物流をまひさせた。福井市中心部のコンビニでは、9日午前を最後に入荷がストップしていたが、12日には3日ぶりに入荷があった。買い物に訪れた70歳代の女性は、「品切れだった牛乳やヨーグルトを購入できてよかった」と
ただ、入荷は賞味期限の長い商品が中心で、おにぎりやパンは依然として品薄状態だ。店舗の出入り口付近は除雪が追いつかず、客足はにぶい。男性オーナーは「早く通常の入荷状況に戻り、生活道路も除雪が終わってほしい」ともどかしそうに話した。
スーパーでも、一時不足していた生鮮食品などが店頭に並び始めた。福井市志比口の「ハーツ志比口店」では、欠品は減ったが、通常より商品数が少なく、従業員の通勤の安全を確保するために、この日も営業時間を短縮した。
3年前の大雪では、タンクローリーが到着せず、来店者の給油量を制限する店舗が多かったガソリンスタンド(GS)。県石油業協同組合によると、一部で品薄状態になったが、給油制限する店舗は確認できなかったという。3連休前に購入量が2~3割増えており、担当者は「降雪前に給油して備えた県民が多かったためだろう」とみる。
除雪進まず
県や市町は生活道路の除雪を急いでいるが、進んでいない。福井市によると、市道の車道で除雪を終えたのは、12日午後2時時点で50%にとどまっている。

同市宝永の主婦(32)は、なかなか乗用車をガレージから出すことができず、スーパーまで何度も徒歩で往復した。長女(6)と次女(4)が通う幼稚園が13日まで休園になり、「二人の面倒を見ながらだと雪下ろしもなかなか進まない。早く日常を取り戻したい」と疲れた様子でこぼした。
同市の足羽山中腹にある足羽神社では、拝殿の屋根近くまで雪に埋まっている。
電車、バス
JRはこの日、越美北線を終日運休。北陸線では、越前花堂駅の除雪のため一時運転を見合わせたほか、特急6本の運行を取りやめた。
福井鉄道は、ポイントの不具合が生じた駅前線の運転を見合わせた。えちぜん鉄道は、勝山永平寺線を終日運休し、三国芦原線でも部分運行。13日の勝山永平寺線の運行再開を目指し、三国芦原線は始発から福井―西長田間で部分運行を予定している。
京福バスは、路面状況の悪い学園線の運転を取りやめた。13日は4路線で本数を減らすなどして運行する。福鉄バスは、除雪が追いつかない住宅地を走る路線で運休または
休校
県教委などによると、通学が困難なため、12日は福井、坂井など9市町の小中学校が臨時休校した。越前市を除く8市町の小中学校は13日も休校。勝山市の小中学校は15日まで休校する。
嶺北地方の県立高校と特別支援学校33校、私立高5校も12日を休校とした。13日は、嶺北の県立24校と私立5校が休校。県立足羽高など9校は、始業時刻を繰り下げる。
この影響で、街中では児童や幼稚園児が雪かきを手伝ったり、雪遊びをしたりする光景も見られた。
テレワーク
交通が混雑しないように、事業者に連休明けの休暇取得や、テレワークの活用を事業者に呼びかけてきた県はこの日、全職員の14%にあたる約440人がテレワークを実施。850人が年次有給休暇を取ったほか、16人がボランティア休暇を取り、地域で除雪などのボランティア活動を行った。福井銀行でも、本部行員の半数をテレワークとした。
福井商工会議所は、今回の大雪で業務に影響を受けた県内の中小企業や個人事業主を対象にした相談窓口を、同商議所金融・税務相談課(福井市西木田、0776・33・8284)に設置した。雪害からの復旧に伴う貸し付けや取引先の紹介などについて、電話や来訪で受け付ける。
福井地方気象台によると、12日午後5時現在の積雪量は、▽福井市75センチ▽大野市131センチ▽南越前町今庄77センチ▽越前市武生45センチ。