外環トンネル工事で3か所目の空洞発見、住民「恐怖と不安な毎日」「地盤を元に戻して」
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東京都調布市の住宅街で東日本高速道路などによるトンネルの掘削工事後に市道が陥没した問題で、3か所目となる新たな空洞が発見されたことを受け、住民団体は15日、現地で記者会見を開いた。「またか」「恐怖と不安の毎日だ」と憤りの声が上がったほか、同社などに地盤の原状回復などを求める要請文を送付したことを明らかにした。

空洞は14日、陥没現場から北側約120メートル地点で見つかった。同社によると、約16メートルの深さにあり、幅約4メートル、長さ約10メートル、内部の高さ約4メートル。真上は公園で、ボーリング調査中に見つかったという。
現場地下では東京外郭環状道路(外環道)のトンネル掘削工事が行われており、空洞はトンネルの真上に位置する。トンネル真上では昨年11月3日と21日に空洞が見つかっていた。
今回の空洞発見場所の上にある公園では15日、住民団体「外環被害住民連絡会・調布」の記者会見が開かれた。菊地春代共同代表は「不十分な事前調査、ずさんな施工管理によって、恐怖と不安な毎日を強いられている」と訴え「私たちの地域の地盤を元に戻すことが事業者の責務だ」とする声明文を読み上げた。
また、同社や都、調布市などに、地盤の原状回復や緊急時の避難計画の策定などを求める要請文を同日付で郵送したという。
公園の向かいに住人は、14日午後5時ごろ、家を訪ねてきた同社担当者から、新たに空洞が発見されたと知らされたという。「またか、という思い。自宅はトンネルのルート上で、家の下に空洞がないか心配でならない」と憤っていた。
同社の有識者委員会は昨年12月の中間報告で、市道陥没や発見された空洞について工事が要因の一つである可能性が高いとした。家屋損傷などの被害を補償する方針を表明している。